北海ブレント
読み方: | ほっかいぶれんと |
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英語: | Brent Crude |
分類: | 原油 |
北海ブレント(ブレント原油)は、「ロンドン原油」とも呼ばれ、英領の北海油田で生産される軽質低硫黄の原油をいいます。これは、原油価格の指標(マーカー原油)においては、主に北海のブレント油田、フォーティーズ油田、オゼバーグ油田、およびエコーフィスク油田で採取される原油と定義されています。
目次:コンテンツ構成
北海油田の概要
北海油田とは、北海にある150余りの海底油田・ガス田の総称で、主な消費地は欧州となっています(大半の油田とガス田は、英国とノルウェーの経済水域の境界線付近に存在する)。また、北海ブレントの定義は、時代と共に変遷しますが、現在、以下の4つの油田で採取される原油と定義されており、総称して「BFOE」と呼ばれます。
●ブレント油田(Brent oilfield)
英国(スコットランド)のアバディーンの北北東約495kmの英領北海に位置する、同国で最大の油田。
●フォーティーズ油田(Forties oilfield)
英国(スコットランド)のアバディーンの東方約180kmの英領北海に位置する、同国の代表的な油田。
●オゼバーグ油田(Oseberg oilfield)
ノルウェーのベルゲンの北西約140kmのノルウェー領北海に位置する、同国の代表的な油田。
●エコーフィスク油田(Ekofisk oilfield)
ノルウェーのスタヴァンゲルの南西約320kmのノルウェー領北海に位置する、同国の代表的な油田。
一般に北海油田で採取される原油は、北米のWTI(ウエスト・ テキサス・インターミディエート)に似た、硫黄分の少ない軽質油で、軽油やガソリンへの精製が容易であり、また海上輸送が比較的容易なため人気があります。
これまで、北海油田では多くの石油会社が採掘を行なっていますが、一方で気象条件が悪いため、生産コストは高めになっています。
北海ブレントの位置づけ
現在、世界の原油取引は、消費地ごとに、北米、欧州、アジアといった三大市場が形成されており、それぞれの地域の需給を反映した独自の価格形成がなされています。
その中で、北海ブレントは、欧州のマーカー原油になっていると共に、取引高が大きく流動性が高いこと、また市場参加者が実需や投機を含めて多岐にわたっていることなどから、世界の原油価格形成にも大きな影響を及ぼしています。
◎北海ブレントは、北海油田(各鉱区)で採掘される原油において、基準原油の地位を占めており、この価格の動きが北海原油の指標となっている。
◎北海ブレントは、世界の原油先物取引において、昨今では取引高が大きく増え、北米のWTIと共に注目されている。
◎北海ブレントの指標といった場合、ICE Futures Europeの「北海ブレント原油先物(ICEブレント原油先物)」を指す。