所得代替率
読み方: | しょとくだいたいりつ |
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分類: | 概念 |
所得代替率は、公的年金の給付水準を示す数値で、現役世代の平均賃金に対し、公的年金の受取額がどの程度の水準(割合)にあるかを示す指標をいいます。
現在、いくつかの概念があり、賃金に税と社会保険料を含める「総所得代替率」と含めない「純所得代替率」の他に、公的年金に上乗せ年金や私的年金を含めたものもあり、また職業や就労期間、退職年齢、婚姻状態などの前提をどう置くかによっても数値が大きく異なってきます。
◎厚生労働省が公表する所得代替率は、「夫が平均的収入を得たサラリーマンで40年間厚生年金の保険料を納め、妻が40年間専業主婦だった」というモデル世帯(夫婦二人)を想定し、その年金額が現役男性の平均手取収入(ボーナス込)に対して、何%になるかを計算している。
◎2004年の年金改革で、少子高齢化の進行に合わせて年金の伸びを抑制するマクロ経済スライドを導入したため、日本の所得代替率は、将来的に徐々に低下していく見通しとのこと(2019年公表の財政検証結果では、日本の所得代替率は61.7%)。
なお、政府の指針として、現役世代の収入の半分以上の年金額があれば一定程度の生活水準を維持できるとして、将来に渡って最低50%の所得代替率を確保するとし、また50%を下回るとの検証結果が出た場合には、給付と負担の仕組みを見直すことになっています。