ブラックエレファント
英語: | Black Elephant |
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分類: | 概念 |
ブラックエレファント(Black Elephant)は、「黒い象」とも呼ばれ、いつかは起きるのが明白な問題(リスク)を放置し、それが現実となって大きな被害が起きてしまう事象をいいます。
ピューリッツァー賞を受賞し、世界的に知られる米国のジャーナリストであるトーマス・フリードマン氏が2016年の著書「Thank You for Being Late(遅刻してくれて、ありがとう)」で地球温暖化などの問題を取り上げて「黒い象」だと指摘し、その後、環境団体などの間でよく使われる表現となりました。
一般に本用語(ブラックエレファント)は、従来からあった、想定外の危機を示す「ブラックスワン(黒い白鳥)」を模したもので、いずれ起こると分かっている高いリスクであるものの、資本主義経済の構造的問題から放置(無視)される事象であり、具体的には、地球温暖化や感染症(新型ウイルス)などが挙げられます。
その根本には、リターンを優先する企業において、大きなコストを負担して自らが対策を行う必要はないという論理があり、すなわち他の誰かがやればよいという「ただ乗り機運」があり、結果として明白なリスクが放置されることになります。
ちなみに、「黒い象」の呼称は、大きくて見逃しようがないことに由来します。