変動費
読み方: | へんどうひ |
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英語名: | Variable cost |
分類: | 財務分析 |
変動費は、企業の操業度の変化に対応して金額の変動する原価要素をいいます。これは、企業が継続して活動していく上で、生産量や販売量に応じて増減する費用であり、生産や販売が1単位増加するごとに、それに対応して増加する費用を指します。また、変動費に対して、企業が継続して活動していく上で、生産量や販売量の多い少ないに関わらず発生する費用のことを「固定費」と言います。
一般に企業の費用(コスト)において、固定費と比べて、変動費の方が削減余地が少ないと考えられています。また、財務会計上では、原価を「固定費」と「変動費」に分けて把握する必要はありませんが、管理会計上においては、「損益分岐点」をチェックする際には把握する必要があります。
変動費の分類
変動費は、企業の操業度に対して、比例的に変動する「比例費」、逓減的に変動する「逓減費」、逓増的に変動する「逓増費」に分類されますが、狭義には「比例費」の意味に用いるのが一般的です。
変動費の具体例
例えば、製造業では、原材料費や購入部品費、外注加工費、直接労務費(作業高に依存する出来高支払分)、荷造包装費、運賃、動力費、燃料費などがあります。また、流通販売業では、仕入原価や販売手数料、リベート、運送費などがあります。
損益分岐点と限界利益
損益分岐点とは、売上高を増減させた場合に損失と利益が分岐する点(利益がゼロとなる状態のこと)であり、これは固定費全額を賄った上で、残った売上高と変動費が等しくなる水準であるため、損益分岐点=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}の算出式で求められます。また、売上高から変動費を差し引いたものを「限界利益」と言います。