コバルト・リッチ・クラスト

英語名: Cobalt-rich crust
分類: ビジネス・産業|資源

コバルト・リッチ・クラストは、深海底に存在する鉱物資源の一つで、水深800-2400mの海底に露出する固結岩石を覆う、厚さ数mmから十数cmのアスファルト状の酸化物(黒色の被覆物)をいいます。これは、マンガンン団塊の一種で、マンガン、銅、ニッケル、コバルト、白金、レアアース(ネオジム、ジスプロシウム)などの有用金属を含有しており、その成因は続成起源のマンガン団塊と同じで、特にコバルトに富むマンガン酸化物を「コバルト・リッチ・クラスト」と呼んでいます。

1970年代末に起こったザィール・シャバ紛争を契機とした世界的なコバルト需要の混乱や価格高騰を背景に、米国を中心にコバルト・リッチ・クラストの調査が開始され、第三の深海底鉱物資源として注目されるようになりました。そして、1981年に米国と旧西独の調査により、マンガン団塊に比べて高品位のコバルトを含有するクラスト鉱床が発見され、現在では、コバルト・リッチ・クラスト鉱床は、中~南部太平洋などの古い基盤をもつ海山の山頂や斜面に広く分布していることが分かっています。また、日本においては、1987年から太平洋の公海上で基礎的な調査を行っており、これまでに南鳥島周辺海域に本鉱床が多く分布していることが分かっています。

なお、公海上の鉱業権の設定については、国際海底機構が管理しており、将来的なコバルト・リッチ・クラストの鉱区の申請や採掘開始のためには、その分布量の把握や鉱床の厚さ、有用成分の割合などの詳細な調査が必要となります。