スペイン危機

読み方: すぺいんきき
英語名: Spanish Financial Crisis
分類: 国際情勢|金融危機

スペイン危機は、欧州債務危機の一つで、2012年にユーロ圏のスペインが直面した金融・財政危機のことをいいます。これは、財政を粉飾したギリシャ危機とは異なり、1990年代に日本が直面した不動産バブル崩壊による危機と似ています。

2000年代にユーロ導入により不動産ブームに沸いていたスペインは、2008年のリーマンショックなど世界的な金融危機を契機に不動産バブルが崩壊し、スペインの多くの銀行は巨額の不良債権を抱えるようになりました。さらに、2010年代の欧州債務危機による景気低迷で銀行経営が深刻化し、ついに2012年には金融システムが大きく揺らぐことになりました(スペインの銀行の多くは、中小の貯蓄銀行(カハ)が合併して発足したため、経営力が弱いという根本的な問題があった)。また、スペインは、銀行の不良債権という問題以外に、地方財政の悪化という難問も同時に抱えていました。

2012年5月、スペインの大手銀行(バンキア:2010年に7つのカハが合併して誕生)が政府に支援要請したのを機に市場の不安が高まり、スペイン国債の利回りが大きく上昇し、次第に市場からも締め出されつつありました(銀行への公的資金注入の原資を確保する必要があったが、国債や政府機関債の発行による資金調達が困難となった)。このような状況の中、スペイン政府は、2012年6月に欧州連合(EU)に対して、正式に金融支援を要請することになり、ユーロ圏では、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルに次いで、ついに圏内4位の経済大国の支援まで迫られることになりました。

その後、スペインは、ストレステストを行い、国内銀行を優良銀行と不良銀行とに分類し、優良銀行を再編して強化する一方で不良銀行は清算し、また大量の不良債権を処理するためのスペイン資産管理会社(SAREB)を設立するなどして、銀行システムを改善し、2014年1月にアイルランドに次いで、金融支援プログラムを脱却しました。