イオン銀行
イオン銀行とは、東京都千代田区神田錦町に本社を置く、流通大手のイオングループの銀行です。2007年10月に開業し、小売業の金融機関として、商業と金融の融合、リテール・フルバンキングを事業コンセプトに掲げ、親しみやすく、便利で分かりやすい銀行を目指しています。
目次:コンテンツ構成
イオン銀行の概要
イオン銀行(AEON Bank)は、流通大手のイオングループの銀行です。
イオン銀行の特徴
イオン銀行は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、ネットとリアルの融合を図り、ネット銀行と従来型銀行の両方の特徴を併せ持っています。具体的には、利便性の高いインターネットバンキングと共に、イオンやイオンモール、イオンタウン、ターミナル駅付近のビルなどに、気軽に立ち寄れる有人店舗も展開しています。
イオン銀行の位置づけ
イオングループは、日本全国において、地域に根ざした「イオン生活圏」を構築しており、この中でイオン銀行は、総合金融事業の中核企業となっています。また、イオンの総合金融事業は、東証プライムに上場するイオンフィナンシャルサービスが統括しており、現在、イオン銀行は、その傘下の銀行持株会社のAFSコーポレーションのグループ企業となっています。
なお、イオン生活圏は、イオングループの様々な業態から構成されていますが、代表的な所として、イオン、イオンモール、イオンタウン、マックスバリュー、ミニストップ、まいばすけっと、ダイエー、マルエツ、カスミ、ウエルシア、キャンドゥなどがあります。
イオン銀行の商品とサービス
イオン銀行では、フルラインナップの商品とサービスを提供していますが、その中で、イオン銀行独自のものと、提携先のものがあるので、注意が必要です。また、イオン銀行の支店名は、顧客(預金口座の開設者)の誕生月に応じて、「誕生石」または「花の名前」を採用しています。
ここでは、イオン銀行の商品とサービスの全体像を把握するために、イオン銀行独自のものと、提携先のものに分けて、簡単に説明したいと思います。
イオン銀行独自の商品
現在、イオン銀行では、独自の商品として、貯める商品の「円預金」、殖やす商品の「外貨預金」、借りる商品の「ローン」、備える商品の「生命保険」と「損害保険」が提供されています。
●円預金
普通預金、スーパー定期、大口定期、積立式定期預金
●外貨預金
外貨普通預金、外貨定期預金、外貨普通預金積立
●ローン
住宅ローン、カードローン、目的型ローン(自動車ローン、教育ローン、女性向けローン、ペットローン、デンタルローン 他)
●生命保険
医療保険、がん保険、収入保障保険、定期死亡保険、終身保険、個人年金保険、介護保険、就業不能保険、認知症保険 他
●損害保険
海外旅行傷害保険、国内旅行傷害保険、自転車保険、自動車保険、バイク保険、火災保険、地震補償保険、家財保険、傷害保険、ゴルファー保険、ペット保険、スマホ保険 他
この中でローンは、結構充実しており、住宅ローンについては、オリコン顧客満足度ランキングの住宅ローン部門で上位にランキングし、高い評価を得ています。また、保険も結構充実しており、ライフプランやリスク管理に必要な商品が一通り揃っており、その多くがネットで契約できるようになっています。
イオン銀行独自のサービス
現在、イオン銀行では、独自サービスとして、キャッシュカード、支払・入金、アプリで、多様なサービスが提供されています。
●キャッシュカード
イオンカードセレクト、イオン銀行キャッシュ+デビット、イオン銀行キャッシュカード
●支払・入金
口座振替サービス、即時口座振替サービス(スマホ決済)、WEB即時決済サービス、自動入金サービス、年金受取サービス、公営競技
●アプリ
通帳アプリ、イオン銀行PayB(払込票のコード決済)、ATM・店舗検索アプリ
この中で、日常的な取引の要となるキャッシュカードについては、イオンカードセレクトが一番人気となっています。
イオンカードセレクトとは、クレジットカード、キャッシュカード、電子マネーのWAONが一枚になった年会費無料のカードです。また、年間でカードショッピングが50万円以上など、所定の条件を満たすと、年会費無料のゴールドカードに、自動的にアップグレードされます。
イオン銀行の提携商品・提携サービス
現在、イオン銀行では、提携商品・提携サービスとして、投資信託、年金、ロボアド、相続・税務が用意されています。
●投資信託
NISA、投信積立、株式・債券等も取引可(マネックス証券の金融商品仲介)
●年金
iDeCo(みずほ銀行が運営管理機関)、国民年金基金(みずほ信託銀行の代理店)
●ロボアド
WealthNavi for イオン銀行(ウェルスナビが提供)
●相続・税務
相続相談紹介サービス(山田エスクロー信託へ紹介)、税務相談紹介サービス(税理士法人山田合同事務所とその提携先へ紹介)
この中で、投資信託については、2024年1月から、マネックス証券と業務提携をしており、イオン銀行が投資信託の金融商品仲介を行っています。また、提携先のマネックス証券は、大手ネット証券の一つで、投資信託だけでなく、株式や債券、FXなど多様な商品やサービスが用意されており、結構利便性が高いです。
イオン銀行のメリット
イオン銀行は、流通大手のイオングループの銀行ですが、実際に取引するにあたって、どのようなメリットがあるのでしょうか? イオン銀行のメリットは、イオン銀行のサイトにもまとめられていますが、ここでは、独自の視点で整理し、5つほどメリットを紹介したいと思います。
メリット1
一つ目のイオン銀行のメリットは、インターネットとリアル店舗の両方で取引ができることです。
イオン銀行は、ネット銀行と従来型銀行の両方の特徴を併せ持っているので、インターネットバンキングだけでなく、イオン銀行店舗も利用できます。また、資産運用やローン、保険などの相談をする場合、店舗での対面相談以外に、テレビ相談やオンライン相談も用意されています。
なお、イオン銀行店舗は、平日だけでなく、土日や祝日も、夕方過ぎまで営業しています。
メリット2
二つ目のイオン銀行のメリットは、手数料無料のATMが結構多いことです。
イオン銀行は、自前のATMを日本全国のイオングループの店舗に設置しているので、24時間365日、手数料無料で利用できるATMが結構あります。また、一部の提携金融機関(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行など)のATMも、所定の時間、手数料無料で利用できます。
なお、イオン銀行のATMでは、電子マネーの「WAON」やスマホ決済の「AEON Pay」のチャージもできるようになっています。
メリット3
三つ目のイオン銀行のメリットは、イオン銀行Myステージで、お得な特典が受けられることです。
イオン銀行Myステージとは、対象取引の利用に応じて自動的に「イオン銀行スコア」が貯まり、決定したステージごとの特典を受けられるサービスです。また、具体的な特典としては、ステージが上がると、普通預金の適用金利がアップしたり、他行ATM利用手数料の無料回数が増えたり、他行宛振込手数料の無料回数が増えたりします。
なお、対象取引とイオン銀行スコア配点については、イオン銀行Myステージのページに記載されており、またスコアのシミュレーションもできるようになっています。
メリット4
四つ目のイオン銀行のメリットは、イオングループの対象店舗で、お得に買い物ができることです。
これに関しては、イオングループの対象店舗で、イオンカードセレクトで支払いをすると、WAON POINTが毎日2倍になります。また、毎月20日と30日のお客さま感謝デーに、イオングループの対象店舗で、イオンカードセレクト、またはイオン銀行キャッシュ+デビット、または電子マネーのWAONで支払いをすると、買い物代金が5%OFFとなります。
メリット5
五つ目のイオン銀行のメリットは、住宅ローンの契約者には「イオンセレクトクラブ」で多様な特典が受けられることです。
イオンセレクトクラブとは、イオン銀行で住宅ローンを組んでいる方限定で受けられる特典で、流通大手のイオングループならではのものとなっています。具体的には、イオングループでの買い物で、セレクトクラブカードのクレジット払いをすると、住宅ローンの完済まで、毎日5%オフとなります。
イオン銀行のデメリット
イオン銀行には、メリットがある一方で、デメリットもあり、ここでは、注意点も兼ねて、イオン銀行のデメリットを二つほど説明したいと思います。
デメリット1
一つ目のイオン銀行のデメリットは、コンビニのATMの利便性があまり高くないことです。これに関しては、イオングループは、コンビニが弱く、ミニストップが大手三社と比べて、店舗数が圧倒的に少ないからです。
現在、ミニストップのイオン銀行ATMは、いつでも無料で便利に使えますが、その一方で、使えるところが少ないのが難点です。また、セブンイレブンのATMは使えず、ローソンとファミリーマートのATMは使えますが、手数料がかかります。
デメリット2
二つ目のイオン銀行のデメリットは、送金サービスが通常の国内送金(振込)しかないことです。
現在、イオン銀行では、国内送金として、全銀システムによる「他行宛振込」とイオン銀行内の「自行内振込」しか行っておらず、海外送金は行っていません。また、1回あたり10万円以下の個人宛送金が手数料無料で利用できる「ことら送金」には参加していません。
イオン銀行の活用ポイント
最後に、イオン銀行の活用ポイントについて、3つほど、簡単に説明したいと思います。
活用ポイント1
一つ目のイオン銀行の活用ポイントは、日常生活の中で利用シーンを考えることです。
銀行の基本的な役割として、お金を預け、引き出し、決済することなので、イオン銀行の場合は、最も人気の高い、イオンカードセレクトの利用シーンを考えるとよいでしょう。
イオンカードセレクトは、クレジットカード、キャッシュカード、電子マネーのWAONが一枚になったカードで、具体的な利用シーンとして、ATMやカード決済などが挙げられます。もう少し分かりやすく言えば、自分の生活圏に手数料無料のATMがあり、またイオングループのお店で、イオンカードを利用して、買い物をする機会があるかが、大きなポイントになります。
活用ポイント2
二つ目のイオン銀行の活用ポイントは、イオン生活圏でのメリットを考えることです。
これに関しては、先程説明したように、イオンカードセレクトを使うと、WAON POINTが2倍になったり、買い物が割引になったりします。また、イオングループには、電子マネーの「WAON」やスマホ決済の「AEON Pay」といった決済手段もあり、イオン銀行口座やイオンカードセレクトとうまく連動させると、WAON POINTが効率よく貯められます。
このように、イオン銀行は、流通大手のイオングループの銀行であるのが一番の特色なので、イオン生活圏でのショッピングによる割引やポイントなどのメリットが、イオン銀行を活用する上で大きなポイントになります。
活用ポイント3
三つ目のイオン銀行の活用ポイントは、メインバンクか、サブバンクかを考えることです。
昨今では、銀行口座を二つ以上持つ方は結構多く、貯蓄口座と生活口座を分けたり、給振口座と生活口座を分けたりするなど、家計の利便性を考えて、銀行口座の使い分けを行っています。
イオン銀行の場合、メインバンクでも、サブバンクでも利用できますが、どちらで利用するかを考え、利用目的を明確にすることが大切です。また、組み合わせる金融機関については、今使っているところがいまいちなら、機能面や利便性などを考えて、補完性のある金融機関に変更してもよいでしょう。
なお、イオン銀行には、手数料無料の自動入金サービスがあり、他の金融機関からの資金移動が簡単にできるようになっています。