株価キャッシュフロー倍率(PCFR)
読み方: | かぶかきゃっしゅふろーばいりつ |
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英語: | Price Cash Flow Ratio(PCFR) |
分類: | 財務分析 |
PCFRは、"Price Cash Flow Ratio"の略で、日本語では「株価キャッシュフロー倍率」とも呼ばれ、株価を一株当たりキャッシュフローで割ったものをいいます。
株価が一株当たりキャッシュフローに対して何倍(何年分)で評価されているかを示す株価指標で、通常、本数値(倍率)が高いほど割高であり、一方で低いほど割安であるとされます。
目次:コンテンツ構成
PCFRの1株当たりキャッシュフロー
PCFR(株価キャッシュフロー倍率)の算出で使われる「1株当たりキャッシュフロー」は、「CFPS(Cash Flow Per Share)」とも呼ばれ、キャッシュフローを発行済株式数で割ったものです。
・PCFR=株価÷CFPS
・CFPS=キャッシュフロー÷発行済株式数
また、キャッシュフローとは、税引き後利益に、利益から差し引かれた減価償却費を再び加えた金額であり、減価償却方法の異なる企業の収益力を比較可能にし、企業の現金を生み出す力を示すものとして利用されています。
PCFR(株価キャッシュフロー倍率)の活用ポイント
PCFR(株価キャッシュフロー倍率)は、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などと同様、株式市場平均や業界平均、同業他社などと比べて、株価が割高か割安かを判断する際に用いられます。
昨今では、企業の海外進出や市場のグローバル化が進行する中、注目される株価指標となっており、通常、投資判断等にあたっては、単独で使うのではなく、他の指標と併用して使うことが多いです。
◎PCFRで投資判断を行なう場合、「何倍以上なら割高」といった基準は特にないので、同業他社のPCFRや業種平均のPCFR、その銘柄の過去のPCFR、市場全体のPCFRなどと比較するのが一般的である。
◎PCFRは、PERとは異なり、会計基準に左右される利益ではなく、キャッシュフローに着目しているので、国ごとに異なる会計制度の影響を受けにくい(PERは、国によって会計基準が異なることから、何を利益とするのかといった定義が一定でないのが問題)。
◎企業が設備投資を行なうとキャッシュフローは増加するので、PCFRの値は低くなる。また、設備投資を活発に行なった場合、それだけ将来の成長に期待がかかるが、一方で活発な設備投資が将来の業績への好影響を約束するものではない(巨額投資が利益を圧迫するリスクもあることに注意)。