前期損益修正益

前期損益修正益は、損益計算書（P/L）の特別利益のうち、過年度の経理の誤りの修正によって生ずる利益を処理する際に使われる勘定科目をいいます。

前期以前の決算期で発見された収益の間違いを当期で修正する場合に用いるもので、当期の利益に属さない過年度の損益修正額であるため、P/L上では、当期の経常損益からは除外し、「特別利益」として計上しなければなりません。

◎損益計算書 > 特別損益 > 特別利益 > 前期損益修正益

一般に経理の実務において、株主総会で承認された決算書は、過去に遡って修正することができないため、特別に本科目（前期損益修正益）を用いて修正することになります。

具体的には、前期以前において、減価償却費が過大であったり、売上高の計上漏れがあったり、棚卸資産の評価額修正益があったり、前期以前における貸倒損失に計上した売掛金等の債権に入金があったりした場合などに、損益修正による利益が発生し、この処理が必要になります。

なお、実務面においては、過年度の修正は、極力発生させないことが望ましいとされています。

※現在、前期損益修正益は、大企業では使えないが、中小企業ではまだ使うことができる。