ガス・ツー・リキッド(GTL)
英語: | Gas to liquid(GTL) |
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分類: | 天然ガス |
ガス・ツー・リキッドは、「GTL」とも呼ばれ、天然ガスの主成分であるメタンガス(CH4)を出発原料として、それを重合する技術、および出発原料により製造される各種の液体燃料や化学製品をいいます。
現在、GTLのプラントは、天然ガスの産地などで建設され、その中でも、世界的産地であるカタールでのカタール政府とロイヤル・ダッチ・シェルの共同プロジェクトは、世界最大規模のプラントとして有名です。
ちなみに、1992年にMossGas社(現:PetroSA社)による南アフリカのMossel湾の天然ガスを原料としたものが最初のGTLプラントです。
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ガス・ツー・リキッド(GTL)の定義
ガス・ツー・リキッド(GTL)には、広義と狭義の二つの定義があります。
広義のガス・ツー・リキッド
間接法と呼ばれる工程で、メタンガスをまず改質して合成ガス(一酸化炭素と水素)とし、これを出発点として、メタノールやエタノールなどのアルコール類、ジメチルエーテル、さらには炭素数5個以上の炭化水素であるオレフィン等を製造する方法の全体を指す。
狭義のガス・ツー・リキッド
天然ガスを合成ガスに転換し、FT法(触媒を用いて、液状炭化水素を製造する技術)を用いて、灯軽油等の代替燃料に転換するプロセスや技術を指す。
ガス・ツー・リキッド(GTL)の役割
ガス・ツー・リキッド(GTL)の液体燃料は、石油代替燃料の一つとして有望視されており、その製造工程によって、ガソリンに近い性質を有するものや軽油に近い性質を有するものなどが製造されます。また、GTLの期待される役割としては、以下が挙げられます。
◎将来的に減退する原油に代わる炭化水素原材料。
◎環境に優しいクリーンなエンジン用燃料(燃焼させても大気汚染の原因となる硫黄酸化物が発生せず、また窒素酸化物等も少なく、ディーゼルエンジン等でそのまま使用が可能)。
◎パイプラインやLNGに代わる天然ガスの輸送・貯蔵手段(マイナス162度に冷却するLNGと異なり、常温での流通や使用が可能)。