カウンターパーティリスク
英語: | Counter party risk |
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分類: | リスク管理 |
カウンターパーティリスクは、信用リスクに含まれる概念で、取引の相手方(カウンターパーティ)が破綻するなどして、契約が履行されずに損失を被るリスクをいいます。これは、デリバティブ取引や外国為替取引などでは、カウンターパーティが契約満期前に経営面で行き詰まり、契約上定められた支払いが履行されないリスクを指します。
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デリバティブのカウンターパーティリスク
デリバティブにおいて、取引所取引の場合は、取引所が直接の取引相手となり、清算機関も整備されているため、原則として、カウンターパーティリスク(取引相手の倒産リスク)は問題になりません。
一方で、店頭デリバティブの場合は、相対取引となるため、取引相手が経営破綻などをすれば、保有するデリバティブ取引の時価評価額がプラスで未実現利益(評価益)があったとしても、損失が発生する可能性があります。
カウンターパーティリスクへの対応
カウンターパーティリスクは、世界的な金融危機の時に、金融機関の破綻や救済などで大きく高まります。実際、2009年のリーマンショックなどを契機に、欧米の金融機関等では、本リスクを考慮したデリバティブの価格付け(値付け)が行われるようになりました。
具体的には、従来のカウンターパーティリスクを考慮しない価格に加えて、「CVA(Credit Valuation Adjustment)」と呼ばれる価格調整が行われるようになりました。CVAとは、自社のデフォルトに伴う価格上のメリットと取引相手のデフォルトに伴う価格上のデメリットの差分に等しく、デフォルト事象としては取引相手のデフォルトと自社のデフォルトの双方を想定しています。
なお、CVAの管理を確立している欧米の金融機関などでは、社内に「CVAデスク」といった組織を設けることが多いです。