法的リスク
読み方: | ほうてきりすく |
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英語: | Legal Risk |
分類: | リスク管理 |
法的リスクは、「リーガルリスク」とも呼ばれ、法律または法的紛争を原因として、企業が損失を負う危険性(リスク)をいいます。これは、スワップ取引やオプション取引、先渡取引などのデリバティブ取引においては、契約内容や法解釈上の不透明性によるリスクを指します。
一般に取引の安全性や透明性を確保している取引所でのデリバティブ取引では、取引内容が定型化されており、取引所と業者との間で事前に取引ルールが確立されているため、法的リスクはほとんどありません。一方で、店頭取引(相対取引)では、自由にデリバティブ取引の内容が決められる反面、複雑な仕組みの商品等では、法律面で曖昧な部分が生じることもあるので注意が必要です。
なお、法的リスクは、金融機関の決済リスクの一つの要因となっており、この場合は、支払不能時の対応ルールなど、決済に伴う法的関係が不確実であることから発生し得る問題を指します。
<法的リスクの例:貸金業界>
社会的に法的リスクで大きな影響を受けたケースとして、貸金業界の「グレーゾーン金利」があります。従来は、利用者が自らの意思で利息を支払う場合など一定の条件の元で認められていたものが、2006年1月の最高裁の判決を機に認められる条件を大幅に制限する判断が示されたことで、グレーゾーン金利の見直しは避けられない情勢となり、その後、過払い利息返還を求める訴訟が急増し、消費者金融会社等の収益を大きく圧迫することになりました。