市場の失敗

市場の失敗は、ある財・サービスの市場において、市場メカニズムが働いていても、経済的な効率的配分（パレート最適）が達成されない状況をいいます。

単に市場の自動調整作用に委ねておいたのでは解決されない現象であり、代表的な例として以下が挙げられます。

・不完全競争による独占・寡占の存在
・公害等の外部性の存在
・情報の非対称性の存在
・公共財の存在
・規模の経済の存在
・売買する市場の不完備
・供給の不確実性　他

かつては、失業や貧困、社会的格差などの社会問題は、配分の公平性の問題で「市場の失敗」ではないとされてきましたが、今日では、所得分配や社会的コストに関する経済理論の発展により、これらについても「市場の失敗」であるとの主張が一般的になっています。