ラスパイレス指数

読み方: らすぱいれすしすう
英語: Laspeyres Index
分類: 指標

ラスパイレス指数は、1864年にドイツの経済学者であるエティエンヌ・ラスパイレス(1834-1913)が提案した加重平均により算出する指数をいいます。

通常、経済や金融などで使われる場合は、物価指数の一つを指し、また日本の行政組織の賃金比較で使われる場合は、国家公務員と地方公務員の基本給与額を比較する指数を指します。

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物価指数で使われるラスパイレス指数

ラスパイレス指数は、消費者物価指数企業物価指数などの算出の際に用いられる、基準時の消費を調査時に行ったとした場合、基準時に比べてどれだけ変動するのかを表す指標をいいます。

具体的には、調査時と基準時の価格の変化を基準時の数量をウエイトとして加重平均した計算式で示されるもので、比較時点において数量情報を調査する必要がないため、速報性に優れます。その一方で、商品に代替性がある場合は、価格上昇を過大に評価し、情報バイアスが生じます。

なお、ラスパイレス指数に対して、調査時と同じ数量の消費を行ったとした場合、調査時と基準時でどれだけ変化しているかを表す指標で、調査時と基準時の価格にそれぞれ調査時の数量をウエイトとして加重平均する指数を「パーシェ指数」と言います。

行政組織の賃金比較で使われるラスパイレス指数

総務省は、地方公務員の給与水準をチェックするために、全地方公共団体平均、都道府県、政令指定都市、中核市、市区町村のラスパイレス指数を毎年発表しています。

現在、日本の公務員の賃金比較で使われるラスパイレス指数は、地方公共団体の一般行政職の給料額(基本給)と国の行政職俸給表(一)の適用職員の俸給額(基本給)とを、学歴別や経験年数別にラスパイレス方式により対比させて比較・算出したもので、国を100としています。

一般に行政機関において、ラスパイレス指数は、あくまでも給与水準を比較する手法の一つであり、各団体の職員構成(経験年数階層)の変動や初任給基準の改定、特別昇給など様々な要因によって変動することが考えられます。

◎地域手当の要素を加味した給与水準を比較するため、地域手当の支給率を用いてラスパイレス指数を補正した「地域手当補正後ラスパイレス指数」も発表している。

◎昨今の調査結果によると、地方公務員の給与については、各自治体の努力により、全体としては適正化が進展しているが、まだ一部の自治体では、給与制度や運用面などに問題が残されている。

◎小規模な団体では、職員構成の偏在等により、一概に給与水準を比較できない場合もある。

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