アブソープション・アプローチ
英語: | Absorption Approach |
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分類: | 概念 |
アブソープション・アプローチは、国内需要との関係で貿易収支を捉えようとする考え方をいいます。
具体的には、国内総生産(GDP)と内需の差額は、国民所得勘定の関係式から貿易収支に等しく、一方で内需は、GDPの吸収要因(アブソープション)と見て、GDPと内需のバランスから貿易収支を分析するという手法になっています。
貿易収支(輸出-輸入)
=GDP-(消費+投資+政府支出)
※貿易収支を経常収支、GDPを国民所得とする表記もあり。
一般にアブソープション・アプローチは、上式の右辺に焦点を当てた考え方であり、財市場における総需要(内需)である「消費+投資+政府支出」をアブソープションと呼ぶため、このような名称になっています。
◎アブソープション・アプローチでは、貿易(経常)収支の赤字は国全体が資金不足であると考える。
◎アブソープション・アプローチでは、マクロ変数に影響を与えないような政策は貿易収支の不均衡解消に効果がないことを示す。
◎アブソープション・アプローチの弱点は、自国の生産と内需のみが注目され、海外の生産と外需を考慮していないことである。
◎アブソープション・アプローチに基づけば、為替相場は貿易収支の大きさを決定する力を持たないことになる。