バーゼルII
読み方: | ばーぜるつー |
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英語: | Basel Ⅱ |
分類: | 金融規制 |
バーゼルIIは、主要国の金融監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会が2006年末から大幅に変更した、銀行の経営が健全であるかどうかを示す「自己資本比率」を算出する国際ルール(BIS規制)をいいます(日本では2007年3月末から適用)。
BIS規制とは、1988年7月にバーゼル銀行監督委員会が公表した「自己資本の計測と基準に関する国際的統一化」のことで、日本を含む多くの国の自己資本比率規制として採用されました。
※BIS:Bank for International Settlements
一般にバーゼルIIは、1988年に合意の「バーゼルI」を見直した新たな枠組みとなっており、従来の規制に加えて、格付けをはじめとする企業の信用力に応じて、銀行が融資額等の管理を徹底するように融資(貸し出し)の質の向上を求めました。
また、自己資本比率の最低基準は8%で変わりませんでしたが、対象となるリスクの適用範囲が3つ(信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスク)に拡大しました。
<主な見直しポイント>
●1点目:リスク計測の精緻化
市場リスクについては、従来の規制のままであるが、自己資本比率の分母部分をより正確に行うために、信用リスクにおいて、今まで一律のリスクウェイトで行っていたものを、3つの計測手法(標準的手法、内部格付手法1-基礎的アプローチ、内部格付手法2-先進的アプローチ)の選択肢を銀行に与えた。また、新たに事務事故や不正行為などによって損失を被るリスクとして「オペレーショナルリスク」を加えた。
●2点目:監督上の検証プロセス
銀行自身が自己資本戦略を策定し、様々なリスクに対して十分な備えがあるか、監督当局の検証(レビュー)を受ける。
●3点目:市場規律
自己資本の構成やリスク計測の方法など、市場参加者に対する情報開示(ディスクロージャー)を充実させる。