サプライチェーン・ファイナンス

英語: Supply Chain Finance(SCF)
分類: ファイナンス

サプライチェーン・ファイナンスは、国内外の大手銀行が提供する、企業のサプライチェーンの競争力を高め、コスト削減や流動性向上などを図る金融サービスをいいます。

購買-生産-販売といった一連の企業活動(サプライチェーン・マネジメント)に着目したもので、必要な資金をタイムリーかつ低廉な金融コストで提供することを主眼としています。

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サプライチェーン・ファイナンスの普及

世界的にサプライチェーン・ファイナンスが普及し始めたのは、2008年のリーマンショック後であり、元々は、欧米で中小企業向けの資金供給が細ったのを受け、欧米の大手銀行が大企業の信用力を利用した中小向け金融の仕組みを考案したのが始まりだそうです。

また、昨今では、大手銀行の他に、新興企業がFintech(フィンテック)の技術を活用したサービスも提供されています。

サプライチェーン・ファイナンスの概要

昨今、自動車や電機、機械、プラントなど多くの大企業は、海外の子会社等を通じて現地企業等の間で部品などの供給網を築き、海外事業を拡大していますが、一方で供給網を重層的に張り巡らせていることで、日々発生する支払い等の管理も複雑になり、企業の負担となっています。

このような状況の中、サプライチェーン・ファイナンスは、銀行が企業の構築している部品などの供給網に絡み、取引先企業との支払条件の改善などを通じ、企業間の資金やり取りを円滑にするものであり、例えば、銀行が支払期日前に売掛代金を立て替える仕組みなどが代表例として挙げられます。

一般にサプライチェーン・ファイナンスの主なメリットとして、大企業(多国籍企業)は、銀行の支援で海外での供給網(サプライチェーン)の運営が円滑になり、一方で銀行は、海外での金融取引の拡大やグローバルな資金決済などに結び付けられます。