グレート・モデレーション
英語: | Great Moderation |
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分類: | 概念 |
グレート・モデレーション(Great Moderation)は、日本語では「大いなる安定」や「市場全体の安定期」とも訳され、株式や債券などの資産価格の変動幅が低下し、市場全体が安定している時期をいいます。
2004年にFRBのバーナンキ理事(当時)が本タイトルで講演したことで有名になった言葉で、広義では、1980年代以降の20年以上に及ぶ時期を指し、また狭義では、その最終局面(クライマックス)である2000年代半ばから2008年のリーマンショックに至るまでの時期を指します。
一般にグレート・モデレーションの背景として、世界経済の緩やかな成長とインフレ率の低位安定の併存があり、この二つによりマーケットのボラティリティが低下し、全般的に安定した状況が続くという仕組みになっています。
◎2000年代後半には、世界各国の中央銀行による緩和的な金融政策とマーケットの異様な安定は、世界の投資マネーが運用リスクを取り過ぎる状況を促し、ついには世界金融危機を引き起こすことになった。
◎過去において、上記のような経緯があり、2017年以降の世界同時株高では、株式相場の低変動の状態(予想変動率の異常な低下)が長期間続いているため、マーケットではその反動を警戒する声もある(コロナショックを経た2020年代も同様な状況が続いている)。