裁定売り

裁定売りは、裁定取引において、先物を買って現物を売る取引をいいます。これは、先物が安く・現物が高い時に行われ、この状況に変化が生じた時に取引は解消されます。また、引き続き、先物が安く・現物が高い場合には、取引は解消されずにそのまま繰り越されます。

例えば、株式市場においては、投資家が日経平均株価から日経平均先物の理論価格を算出し、日経平均先物に実際に付いている価格が理論価格を下回った時に、「先物買い／現物売り」の裁定売りが行われます。

目次：コンテンツ構成

• 裁定取引について
• 裁定売り残について

裁定取引について

裁定取引とは、「アービトラージ取引」とも呼ばれ、マーケットにできる価格差（市場の価格の歪み）を利用して利益を獲得しようとする取引をいいます。

通常、同一の性格を持つ２つの商品の間で、割安な方を買い、割高な方を売ることにより、理論上はリスクなしで利益を確定させることができます。

裁定売り残について

裁定売り残とは、裁定取引において、裁定売り（先物買い／現物売り）のポジションを組んで、まだ裁定取引を解消していない「現物売りの残高」のことをいいます。

例えば、株式市場においては、先物取引の決済日に裁定売り残が大量に残っていると、裁定解消のための現物株の買い戻しにより、相場が上昇する要因となります。