リスクパリティ
英語: | Risk parity |
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分類: | 運用手法 |
リスクパリティ(Risk parity)は、「リスクパリティ戦略」や「リスクパリティ運用」とも呼ばれ、ポートフォリオ全体に占める各資産のリスク(収益率の振れ幅)の割合が均等になるように保有することで、リスク自体を分散化(低減)しようとする運用手法をいいます。
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リスクパリティの採用
リスクパリティは、年金基金や投資信託、ヘッジファンドなどの間で広く採用されており、通常、株式や債券、クレジット、コモディティなど複数資産の保有リスク量を揃えるために、各市場のボラティリティの動きに合わせて、各資産の組入比率を機動的に変更する仕組みとなっています。
現在、世界において、リスクパリティの総額(投資額)は非常に巨額であり、その運用による相場への影響力は非常に大きいです。例えば、2015年8月や2016年1-2月の世界株安局面では、リスクパリティを採用する巨大投資家の投げ売りが株価下落を増幅させる最大の犯人だったというのが定説となっています。
リスクパリティの特色
リスクパリティは、様々な資産クラスを投資対象としていますが、市場時価をベースに資産配分を決定するのではなく、主な資産クラスのリスク寄与度をバランスさせてポートフォリオを決定します。
これより、期待収益率の予測に基づく伝統的な資産配分と比べると、ポートフォリオ内の株式のウェイトは低くなり、債券やクレジット、コモディティなど他の収益源泉のウェイトが高くなります。
その一方で、株式相場の膠着状態(波乱のないジリ高相場でボラティリティの低下)が長く続くと、リスクパリティによる株式の組入比率が高まり、不測の事態があった場合にボラティリティが急激に高まる恐れがあります。