エンゲル係数
読み方: | えんげるけいすう |
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英語: | Engel's coefficient |
分類: | 家計 |
エンゲル係数は、家計の総消費支出(生活費)に占める食糧費の割合を示す数値(百分比で表した係数)をいいます。
ドイツの社会統計学者であったエルンスト・エンゲルが1857年に発表した論文に由来するもので、「生活程度を示す指標」と言われ、20以下は上流、25はゆとりのある生活、30はややゆとりのある生活、50はやっと生活できる状態とされています。
また、所得の上昇につれて生活費の中に占める食料費の割合が低下する傾向にあるという統計的法則を「エンゲルの法則」と言い、エンゲルがベルギーの労働者家族の生計費を分析して、このような法則があることを発見しました。
現在、日本では、総務省が毎月行っている「家計調査」から、エンゲル係数を二人以上の世帯と単身世帯、および二人以上の世帯と単身世帯を合わせた「総世帯」について調べることができます。
それによると、総世帯のエンゲル係数(年平均)は、終戦直後の1947年は63.0%もありましたが、1953年に48.5%と50%を切り、その後、生活水準の向上に伴って急速に低下し、1962年に39%と40%を切り、1979年に29.2%と30%を切り、そして21世紀に入り、2001年に23.2%、2005年に22.7%、2010年に23.2%、2015年に25.0%、2020年に27.5%となっています。
なお、収入がある一定額以下になると、固定的な支出に圧迫されて食料費が削られるため、収入が低いにもかかわらず、エンゲル係数は小さくなるという「エンゲルの法則の逆転現象」が生じることもあるそうです。
※総務庁では、生活費を実支出から税金と社会保障分担金を差し引いた支出としている。