インサイダー取引(内部者取引)
読み方: | いんさいだーとりひき |
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英語: | Insider trading |
分類: | 不公正取引 |
インサイダー取引は、「内部者取引」とも呼ばれ、会社の内部情報を知る立場にある者(会社関係者)が、その特別な立場を利用して会社の株価に重要な影響を与える「重要事実」を知って、その重要事実が公表される前に、特定有価証券等の売買を行うことをいいます。
ここでは、金融商品取引法で規制されている「インサイダー取引(内部者取引)」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
インサイダー取引の規制
インサイダー取引(内部者取引)は、金融商品市場の公正性や健全性が大きく損なわれる恐れがあるため、主に「投資者保護」と「金融商品市場への信頼確保」を目的として、金融商品取引法において規制(禁止)されています。
現在、証券会社では、一般投資家が不利な立場に置かれることのないように、顧客に対して内部者登録等を実施し、内部者取引の未然防止を図り、金融商品市場全体の健全性に努めています。
<重要事実の公表とは?>
一般紙や通信社、放送局など二つ以上のマスコミに対して情報を公開後12時間以上経過したこと、また重要事実が取引所等のインターネットのサイト上に掲載されること、もしくは重要事実の記載のある有価証券報告書等が公衆の縦覧に供されることをいう(EDINETを利用したオンラインでの提出も含む)。
インサイダー取引の会社関係者
インサイダー取引(内部者取引)の会社関係者とは、以下の者を指し、もし内部者に該当する場合は、証券会社への届け出が必要となります。
1.上場会社等(上場会社とその親会社・子会社)の役員等(役員、代理人、使用人その他の従業者)
2.上場会社等の帳簿閲覧権を有する者
3.上場会社等に対して法令に基づく権限を有する者
4.上場会社等と契約を締結している者または締結交渉中の者
5.2と4が法人である場合、その法人の他の役員等
インサイダー取引の重要事実
インサイダー取引(内部者取引)の重要事実とは、投資者の投資判断に著しい影響を与えると想定される、会社の運営、業務または財産に関する情報をいいます。
1.上場会社等の決定事実
2.上場会社等の発生事実
3.上場会社等の決算情報
4.上場会社等のその他の重要事実
5.子会社に係わる重要事実
インサイダー取引の特定有価証券等
インサイダー取引(内部者取引)の特定有価証券等とは、特定有価証券や関連有価証券などが該当します。
1.特定有価証券(株券、社債券、優先出資証券、優先出資引受権証書、新株予約権証券など)
2.関連有価証券(カバードワラント、他社株償還条項付債など)
3.その他政令で定める有価証券
金融商品取引法の規制と罰則
現在、金融商品取引法において、会社関係者は、上場会社等の業務などに関する重要事実を知った場合、その重要事実が公表された後でなければ、当該上場会社等の特定有価証券等の売買その他の有償の譲渡または譲受をしてはならないとしています。
もし、これに違反した場合、個人については、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処され、またはこれらを併科されます。また、法人については、5億円以下の罰金に処されることとなります。