東証マザーズ

読み方: とうしょうまざーず
英語: Mothers
分類: 株式市場

東証マザーズ(Mothers)は、1999年11月11日から2022年4月4日まで、東京証券取引所が運営していた市場の一つで、近い将来の市場第一部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの株式市場をいいます。

2022年4月4日に東京証券取引所の市場区分見直しにより、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場に再編されたことに伴い、マザーズ市場は終了しました。

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マザーズの概要

マザーズは、1999年11月11日から2022年4月4日まで、新興企業向けに東京証券取引所が開設していた株式市場で、高い成長・拡大が期待される事業や新たな技術・発想に基づく事業を行う「高い成長可能性を秘めた企業」に資金調達の機会を与えると共に、投資家に新たな投資対象を提供することを目的としていました。

開設当時、東京証券取引所では、マザーズに関する株価指数として「東証マザーズ指数」と「東証マザーズCore指数」を算出・公表しており、また大阪取引所には、「東証マザーズ指数先物」が上場されていました(2023年まで継続)。

ちなみに、「マザーズ(Mothers)」という名称は、「Market of the high-growth and emerging stocks」の頭文字から取っていました。

マザーズの対象企業と主な特徴

開設当時、マザーズは、上場の申請会社に対して「高い成長可能性」を求めており、申請会社が高い成長可能性を有しているか否かについては、主幹事証券会社がビジネスモデルや事業環境などを基に評価・判断しました。

また、多くの次世代を担う成長企業に資金調達の場を提供するという観点から、その上場対象とする企業について、規模や業種などによる制限は設けておらず、市場第一部や市場第二部に比べて、上場基準は緩やかになっていました。

その一方で、四半期決算の開示や公開後の会社説明会の義務付けなど、高いディスクロジャーを要求し、透明性の確保には充分な配慮がなされていますした。

◎成長性:高い成長可能性を有していると認められる企業を上場対象としている。

◎流動性:上場する企業の株式の売買は、市場1・2部と同様にオークション形式(価格優先・ 時間優先による競争売買)で行われる。

◎迅速性:将来成長が期待される新興企業に対して早期の資金調達の機会を提供するという観点から、規模や業種などによる制限は設けていない。

◎透明性:上場する企業には一定回数以上の会社説明会の開催を求めている。

マザーズの上場制度

開設当時、マザーズの上場制度(基準等)は、以下のようになっていました。

流動性に係わる基準

・株主数が上場の時までに、200人以上となる見込みのあること
・流通株式に関する要件を充足していること(流通株式数が2,000単位以上となる見込みのあること、流通株式の時価総額が5億円以上となる見込みがあること、流通株式の比率が25%以上となる見込みのあること)
・500単位以上の新規上場申請に係る株券等の公募を行うこと
・上場日に時価総額が10億円以上となる見込みのあること

継続的な事業活動に係る基準

・新規上場申請日から起算して1年前より前から取締役会を設置して継続的に事業活動をしていること

虚偽記載又は不適正意見等

・開示される監査報告書が「無限定適正」又は「限定付適正」(ただし直前期は「無限定適正」)であり、有価証券報告書等に「虚偽記載」を行っていないこと

その他

・上場会社監査事務所による監査
・株式事務代行機関の設置
・単元株式数及び株券の種類
・株式の譲渡制限
・指定振替機関における取扱い

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