ヘラクレス

英語: Hercules
分類: 株式市場

ヘラクレス(Hercules)は、2010年10月まで大阪証券取引所が開設していた、新興企業向けの株式市場をいいます。

正式名称を「ニッポン・ニュー・マーケット・ヘラクレス(Nippon New Market Hercules)」と言い、開設当時、あらゆる企業に成長ステージとして株式上場の場を提供し、また投資家に対しては、それらの企業への投資機会を提供することを目的に運営されていました。

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ヘラクレスの概要

ヘラクレスの歴史は、2000年5月に、ベンチャー企業等を始めとした高い成長力が期待できる企業に資金調達の場を提供するために「ナスダック・ジャパン」の名称で開設されました。

しばらくして、米ナスダックが日本から撤退したため、2002年に「ヘラクレス」に名称変更し、単独で運営することになりました。その後、ヘラクレスは、2010年10月12日にJASDAQとJASDAQ NEOと統合して、新「JASDAQ」となり、グローバルスタンダードとなる新興株市場の実現を目指しました。

そして、2013年に東京証券取引所(東証)と大阪証券取引所(大証)が統合して「日本取引所グループ」が発足したことに伴い、大証の現物市場(第一部、第二部、JASDAQ)が東証に統合され、現在、JASDAQは東証が運営する市場の一つとなっています。

ヘラクレスの主な特長

ヘラクレスは、開設当時、以下のような特長がありました。

タイムリーな上場を可能とする審査スケジュール

審査期間約2ヶ月、ファイナンス期間(公募・売出期間)1ヶ月をあわせ、申請から約3ヶ月で上場可能だった。効率的かつ効果的な審査を行うため、ヘラクレスでは、上場申請会社以外に、事務幹事金融商品取引業者の審査部門や監査人へのヒアリングを行った。

高い水準の流動性を実現

流動性の高さを示す指標の一つである値付率(全銘柄のうち、市場で売買が成立した銘柄の割合)は、連日非常に高い水準を保っていた。

ヘラクレスのスタンダード基準とグロース基準

ヘラクレスでは、形式(数値)基準を特色のある「スタンダード基準」と「グロース基準」の二つの基準に分け、様々なステージにある企業が上場することを可能にしていました。

●スタンダード基準第1号

収益性に特徴のある企業に適した基準

●スタンダード基準第2号

資産性に特徴のある企業に適した基準

●スタンダード基準第3号

市場性(株式の上場時に見込まれる時価総額が大きいこと)に特徴のある企業に適した基準

●グロース基準

潜在的な成長性に期待が持てる、いわゆるベンチャー型の企業に適した基準

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