政策保有株式
読み方: | せいさくほゆうかぶしき |
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英語: | Cross-Shareholdings |
分類: | 株式区分 |
政策保有株式(政策保有株)は、企業が純粋な投資ではなく、取引先との関係維持や買収防衛などの経営上の目的で保有している株式をいいます。また、複数の企業が相互に政策保有株を保有している場合は、「株式持ち合い」と呼びます。
1960年代から広まった日本特有の仕組みで、元々は旧財閥系の企業グループが戦後の混乱でも結束を高めようと互いの株式を持ち合ったことが始まりとされ、その後、銀行を中心に広がり、1990年頃には上場株式の時価総額の約3割が政策保有株になりました。
一方で、この仕組みは、企業の資産の有効活用を妨げるほか、物言わぬ株主が存在することで、コーポレートガバナンス(企業統治)の形骸化を招く弊害もあり、長年、海外投資家を中心に批判を浴びてきました。
そして、政策保有株の転機となったのが「バブル崩壊」で、不良債権で傷んだバランスシートを改善するために金融機関を中心に政策保有株を手放す動きが広がり、以降、全体的な政策保有株は減少傾向にあり、昨今では、政策保有株を取り巻く環境は大きく変化しています。
◎東京証券取引所と金融庁がコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)を制定し、2015年6月から上場企業に適用し、政策保有の狙いや合理性の説明を義務付けた。
◎金融庁では、2019年3月期の有価証券報告書から、企業が保有する株式(銘柄)の個別開示を厳格化した。