繰延資産

読み方: くりのべしさん
英語名: Deferred assets
分類: 財務・会計|貸借対照表

繰延資産は、貸借対照表の借方の「資産の部」の一つで、既に対価の支払いが終了または支払い義務が確定し、それに対応する役務の提供を受けたものの、その効果が将来に渡って発現するものと期待される費用で、通常、収益との対応関係から次期以降に渡って、その効果の及ぶ期間に配分処理されたものをいいます。これは、他の資産と異なり、実体的価値を有さないため、換金価値はありません。

2005年の商法改正に伴い、繰延資産は会社法で扱われることになりましたが、その限定列挙が廃止され、実際の計上については、会計慣行に委ねられることになりました。そして、2006年8月に企業会計基準委員会は、「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」を公表し、株式交付費、社債発行費等(新株予約権発行費を含む)、創立費、開業費、開発費の5つを繰延資産と定めました。これにより、旧商法の研究費、社債発行差金、建設利息は、繰延資産から除外され、新株発行費は株式交付費とされました。

現在、繰延資産には、「会計上のもの」と「税法上独自のもの」があり、会計上の繰延資産については、前記の5つがあり、原則として任意償却することができます。一方で、税法上独自の繰延資産については、公共的施設等の負担金、資産を貸借するための権利金等、広告宣伝用資産の贈与費用、同業者団体等の加入金などがあり、原則として償却期間を基に毎期償却することになります。

ちなみに、法人税法上の繰延資産は、会社が支出する費用でその支出の効果が1年以上に及ぶもの(資産の取得価額や前払費用を除く)をいい、通常、一時的に費用にするのではなく、税法上の定める期間に分けて費用計上していきますが、20万円未満のものは支出時の費用に計上することができます。