自己株取得

読み方: じこかぶしゅとく
分類: 株式

自己株取得(自己株式の取得)は、「自社株買い」とも呼ばれ、上場企業が自らの資金を使って、発行した株式を買い戻すことをいいます。これには、取引時間中の株式市場での買付や、東証が提供する取引時間外の取引制度(ToSTNeT)を活用する方法があります。

また、自己株取得をした株式を消却することを「自己株式の消却」と言います。

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自己株取得の変遷について

かつては、企業が自己株(自社株)を取得できるのは、消却やストックオプションなど特定の目的の場合に限定されていましたが、2001年の商法改正により「金庫株(自己株式)」が解禁されて以降は、機動的に自己株取得を行えるようになりました。

また、2003年の商法改正により、1年間の自社株取得枠を株主総会の承認によって予め設定する従来の方法に加え、定款変更によっても、一定の財源の範囲内で取締役会の決定により自己株取得を機動的に行えるようになりました(今日では、会社法に規定されている)。

自己株取得の効果について

上場企業が自己株取得をすることによって、一株当たり利益発行済株式数から自己株式数を差し引いて計算されることで増加することになり、実質的に株主への利益配分(株主還元)となります。

また、配当と自己株取得を合わせた金額を「総還元額」と言い、配当と共に、企業の株主還元に対する姿勢を示すものとして注目されています。

自社株の保有(金庫株)について

金庫株とは、株主総会の決議に基づき、企業が発行した自己の株式(自社株)について、発行後にその企業自身が自社株を取得し、保有している株式をいいます。

現在、日本においては、無期限かつ数量に制限なく保有が認められ、また取締役会の決議により、新株発行として再度放出することも、消却することも可能になっています。

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