スピンオフ税制

【読み方:すぴんおふぜいせい、分類:税制】

スピンオフ税制は、企業において、特定事業を切り出して独立会社とするスピンオフの円滑な実施を可能とする税制措置をいいます。これは、2017年の税制改正により導入されたもので、企業の機動的な事業再編を促進するため、所定の要件(適格要件)を充足した場合、分割法人(または現物分配法人)における「資産譲渡益課税」や、分割法人株主(または現物分配法人株主)における「みなし配当」及び「譲渡益課税」を行わないこととするものです。

21世紀に入って長い間、日本企業には成長が見込みにくい事業を切り出して本体の有望事業に経営資源を集中させたり、有望事業を独立させて成長を促したりするなど「スピンオフ」に対するニーズは高まっていましたが、資産移転にかかる課税が足かせになって、企業の再編を実施しにくくしていました(欧米では、スピンオフ税制がずっと前から実施されている一方で、日本では、法改正前までスピンオフは事業売却とみなされ、課税対象となっていた)。このような状況下において、第4次産業革命などに対応するため、産業界や経済産業省の要望として「スピンオフ税制」がやっと実現しました。

なお、スピンオフの形態には、大きく分けて、上場会社の中のノンコア事業を新たに切り出して上場させるというような「分割型分割によるスピンオフ」と、既存の100%子会社をグループ外に切り出して上場させるというような「現物分配によるスピンオフ」の二つがあり、いずれの場合でも、適格要件を満たして「スピンオフ税制」を活用すれば、税務上の各再編当事者に課税が生じることなくスピンオフを実行することができます。

<スピンオフ税制の仕組み>

・「課税繰延」という手法が採用されている
・新会社に資産が移転した際にかかっていた元の会社への法人税をなくし、新会社が元の会社から譲渡された資産を売却した時に法人税を課すことにする(課税繰延が脱税目的にならないよう、新会社が事業を実際に継続することなど所定の条件を付ける)
・新会社の株式を分配された株主にも課税繰延を適用する