EVA(経済的付加価値)
読み方: | いーぶいえー(けいざいてきふかかち) |
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英語: | Economic Value Added |
分類: | 財務分析 |
EVAは、"Economic Value Added"の略で、日本語では「経済的付加価値」と呼ばれます。これは、投資した資本に対して、一定期間にどれくらいのリターンを生み出したかという、その企業が作り出した経済価値を把握する指標であり、事業利益が資本コストを上回った時に創造される価値となっています。
一般にEVAがプラスの場合は、株主の期待する以上の価値を創造していることを意味するのに対して、マイナスの場合は、期待通りの利益が獲得されず、株主価値を破壊していることを意味します。
目次:コンテンツ構成
EVA(経済的付加価値)の考案と導入
EVA(経済的付加価値)は、株主に対する収益還元に重点を置いた経営指標で、1980年代に米国のG・ベネット・スチュアート3世がコカ・コーラ系列のボトラーを評価する際の指標として考案したものです。
その後、彼は、フリーキャッシュフローの概念の生みの親でもあるジョエル・スターンと共同で、スターン・スチュアート社(Stern Stewart & Co)を創立しました。
現在、EVAは、Stern Value Management(旧・Stern Stewart & Co)の登録商標となっており、米国では1980年代から企業への導入が始まり、また日本でも1990年代に一部の大手企業などが導入したことで注目されるようになり、今日に至っています。
EVA(経済的付加価値)の算出方法
EVA(経済的付加価値)は、NOPAT(支払利息控除前税引後利益)から資本コスト額を差し引いた絶対額で表されます。また、資本コストは、株主資本に対する自己資本コストと借入金等に対する負債資本コストを加重平均して計算されます。
EVA(経済的付加価値)
=支払利息控除前税引後利益-資本コスト額
=(投下資本事業利益率-資本コスト率)× 投下資本額
EVA(経済的付加価値)の主な特色
EVA(経済的付加価値)は、株主に対する収益還元に重点を置いた経営指標で、以下のような特色があります。
◎キャッシュフローや資本コストといったファイナンスの考え方に基づいているため、ROAやROEといった会計ベースの指標に比べて恣意性が入りにくく、客観性が高い。
◎ファイナンスの指標であるNPVと比較すると、数字を単年度ベースで算出することができるため、企業のマネジメントサイクルに合わせやすく、毎期のオペレーション管理にも向いている。
◎株価との相関性が高いとされており、投資の際の指標として使われることも多い。