永久劣後債

読み方: えいきゅうれつごさい
分類: 債券区分

永久劣後債は、発行体が法的に倒産した際の清算時において、通常の債券よりも弁済順位が低い「劣後債」のうち、償還期限の定めがないものをいいます。

投資家にとっては、通常の債券より利回りが高く設定され、有期債と比べて高いクーポンレートが付いているため、運用面でメリットがある一方で、発行体が倒産した場合の残余資産の分配において、当該債務より優先する債務の全てが弁済されるまで、分配が行われない仕組みとなっています。また、発行体は、通常、途中で繰上償還する条項を付けており、投資家には途中で償還されるリスクも伴います。

一般に永久劣後債は、自己資本的な性質が高く、現在、BIS規制で自己資本への補完的項目(Tier2)への算入が一定限度まで認められていることから、自己資本を増強しようとする銀行等の金融機関にとって、株式による調達以外の自己資本増強の有効な手段となっています。

なお、日本において、金融機関が発行する永久劣後債で期限前償還を行う場合は、通常、金融庁の事前承諾を得た上で、発行体の任意で期限前償還が行われます。

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