ワクチン債
読み方: | わくちんさい |
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英語: | Vaccine bonds |
分類: | 債券通称 |
ワクチン債(ワクチンボンド)は、IFFIm(予防接種のための国際金融ファシリティ)が発行する債券をいいます。
IFFImとは、"International Finance Facility for Immunisation"の略で、英国政府の提唱により、予防接種のための資金を円滑に調達し、GAVIアライアンス(ワクチン予防接種世界同盟)を支援することを目的に、2006年に設立された多国間開発機構をいいます(世界銀行がIFFImの財務マネージャー)。
現在、ワクチン債の発行によって得られた資金は、GAVIアライアンスを通じて、開発途上国で予防接種の普及や医療システムの強化などのために使われています。
また、ワクチン債の返済原資は、IFFImの寄付国である英国・フランス・イタリア・スペイン・オランダ・スウェーデン・ノルウェー・南アフリカ・オーストラリアの9カ国からの法的拘束力のある寄付金で、この強力な財務基盤を背景に、IFFImは主要な格付機関からトリプルAの評価を受けています。
◎各国からの寄付金は、2006年から20年という長期間に渡って毎年拠出されることになっているが、一方で世界中の多くの子ども達にとっては、今すぐにワクチンを必要としており、この寄付金とワクチン提供の間にある時間的ギャップを解消するために、債券を発行して資金を前倒しで調達するというのが「ワクチン債」のアイデアとなっている。
◎2006年に世界の機関投資家を対象とした第1回債が発行され、また2008年には日本の個人投資家向けにも発行され、以降、何度か日本でも「ワクチン債」が発行されている。