スワップ取引

読み方: すわっぷとりひき
英語: Swap
分類: スワップ

スワップ取引(Swap)は、デリバティブ(金融派生商品)の一つで、等価のキャッシュフローを交換する取引の総称をいいます。これは、相対取引が基本で、二者間で合意された、ある想定元本に対して異なる指標を適用して計算されたキャッシュフローを一定期間交換することを約束した取引となっています。

目次:コンテンツ構成

スワップ取引の概要

スワップ取引は、一定期間、現在価値が等価のキャッシュ━フローを交換する取引をいい、具体的なものとして、「金利スワップ」や「通貨スワップ」、「クーポン・スワップ」、「エクイティ・スワップ」、「コモディティ・スワップ」などがあります。

一般にスワップ取引は、マーケットにおいて、相場変動を回避したり、効率的かつ効果的な資金調達や資金運用を実現したりするために広く利用されています。ちなみに、その歴史は、1981年に世界銀行とIBMとの間で行われた「通貨スワップ」が最初の取引と言われており、以後、本取引は世界中で急速に拡大していきました。

スワップ取引の概要

スワップ取引の種類

スワップ取引は、当事者間の合意による相対取引となっており、現在、以下のようなものがあります。

|金利スワップ

金利スワップ(Interest Rate Swap)は、金利のみを交換対象とするスワップ取引をいいます。これは、同一通貨間で異なる種類の金利を当事者間で交換(スワップ)するもので、最も多い取引としては、固定金利と変動金利の交換があります。

|通貨スワップ

通貨スワップ(Currency Swap)は、二当事者が異種通貨間で金銭債権債務の元利相当額に係る将来のキャッシュフローを交換するスワップ取引をいいます。これは、異種通貨間での将来の金利と元本を交換する取引であり、他のデリバティブ取引と違い、スタート日と満期日に元本を交換するのが大きな特色となっています。

|クーポン・スワップ

クーポン・スワップ(Coupon Swap)は、異なる通貨の金利部分のみを交換する、元本交換のない通貨スワップをいいます。これは、将来にわたって異なる通貨の金利(利息)のみを交換し、主に輸出取引や輸入取引における為替実需のヘッジに利用されることが多いです。

|エクイティ・スワップ

エクイティ・スワップ(Equity Swap)は、キャッシュフローの少なくとも一方を株式に関連したもの(エクイティ資産)で受払いするスワップ取引をいいます。これは、対象となるエクイティ資産の種類によって、株価指数を対象とする「インデックス・スワップ」、複数の株式の集合体を対象とする「バスケット・スワップ」、個別銘柄を対象とする「個別株スワップ」などに分類されます。

|コモディティ・スワップ

コモディティ・スワップ(Commodity Swap)は、商品価格と金利等を交換するスワップ取引をいいます。これは、エネルギーや貴金属、非鉄金属などの商品価格を対象としたデリバティブ取引で、商品の固定価格と変動価格を交換するスワップや、商品の変動価格と変動金利を交換するスワップなどがあります。

外国為替取引の一種のスワップ取引

スワップ取引は、外国為替取引においては、スポット(直物)とフォワード(先物)の2つの売買を同時に組み合わせたり、また異なった期日の先物同士の売買を同時に組み合わせたりした取引をいいます。

銀行等の金融機関では、デリバティブの「通貨スワップ(Currency Swap)」と区別するために「為替スワップ」や「チェンジオーバー」とも呼ばれ、また先物為替で異なる期限のものを組み合わせた取引は「先先スワップ」とも呼ばれます。

例えば、X行がY行との間で、1000万ドルの直物為替を買うと同時に、1000万ドルの3カ月物の先物為替を売る場合が「為替スワップ」に該当し、インターバンク取引(銀行間取引)においては、各金融機関の資金調整上の必要と為替持高調整の目的から日常的によく行われています。