ドーマーの定理
読み方: | どーまーのていり |
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英語: | Domar's theorem |
分類: | 理論 |
ドーマーの定理は、「ドーマーの条件」とも呼ばれ、1940年代にロシア系アメリカ人の経済学者であったエブセイ・ドーマー(Evsey David Domar:1914/4/16-1997/4/1)によって提唱された、財政赤字の維持可能性に関する定理(条件)をいいます。
現在、日本では、元々の概念とは異なり、名目GDP成長率が名目公債利子率を上回れば、財政赤字は維持可能であるという概念になっています。
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ドーマーの定理の概念
ドーマーの定理は、元々は、毎年の国債発行がGDPの一定割合に留まるならば、国債残高の対GDP比は一定の値に収束して財政破綻は生じないという概念でしたが、現在、日本においては、名目GDP成長率が名目公債利子率を上回れば、財政赤字は維持可能であるという概念になっています。
一般にドーマーの定理は、財政破綻が起こらないための十分条件の一つで、また関連する概念に「ボーンの条件」があります。
※ボーンの条件:
財政破綻が起こらないための十分条件の一つで、前期に財政が悪化していた場合、今期はプライマリーバランスが改善するように財政が運営されていればよいとする概念。
日本版のドーマーの定理
日本版のドーマーの定理は、経済学者の米原淳七郎氏と荒憲治郎氏が提唱した「財政健全化指標」が元とのことです。
具体的には、プライマリーバランスが均衡している場合、公債の利払い分だけ債務残高が増えますが、それ以上に名目GDP成長率が上昇すれば、対GDP比で見た政府債務残高は膨張しないということになります。
一方で、プライマリーバランスの均衡が実現できたとしても、0%前後の低い名目GDP成長率では、対GDP比で見た政府債務残高の膨張が続くことになり、財政赤字の脱却の困難さを示唆しています。