フィッシャー方程式
読み方: | ふぃっしゃーほうていしき |
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英語: | Fisher Equation |
分類: | 理論 |
フィッシャー方程式は、米国の経済学者であったアービング・フィッシャー(Irving Fisher:1867/2/27-1947/4/29)が1930年に提唱した理論(Theory of Interest)で、名目金利、実質金利、期待インフレ率(物価上昇率)の間の関係式をいいます。
実質金利=名目金利-期待インフレ率
目次:コンテンツ構成
フィッシャー方程式の仕組み
フィッシャー方程式は、「実質金利=名目金利-期待インフレ率」で表されます。この関係式において、預金・債券の金利や借入の金利などは全て名目金利によっており、また名目金利には、インフレの進行による実質の金利収入や金利負担の目減り分などは考慮されていません。
フィッシャー方程式の理論と活用
フィッシャー方程式を変換すると「名目金利=実質金利+期待インフレ率」となり、名目金利が一定ならば、期待インフレ率を高めることが実質金利の低下につながります。
すなわち、実質金利が下がることで、個人消費や企業の設備投資などが促進されるため、物価上昇や景気回復へ向かうと考えられます。
一般に期待インフレ率を高める手段として有効と考えられるのが、インフレ目標などの「アナウンス効果」であり、人々に「近い将来インフレになる」と信じ込ませることで、実質金利の低下および消費や投資の前倒しを誘発するわけです。
ちなみに、フィッシャー方程式は、貨幣数量説と共に、日銀の異次元緩和など「リフレ政策」の理論的ベースとなっています。