米雇用統計
読み方: | べいこようとうけい |
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英語: | Current Employment Statistics(CES) |
分類: | 米国 |
米雇用統計は、アメリカ合衆国の労働省が毎月発表する、米国の雇用情勢を調べた景気関連の経済指標をいいます。これは、全米の企業や政府機関などに対してサンプル調査を実施し、失業率や非農業部門就業者数、建設業就業者数、製造業就業者数、小売業就業者数、金融機関就業者数、週労働時間、平均時給など10数項目の数字が発表されます。
一般に経済社会において、雇用情勢の変化は、個人所得や個人消費などに波及し、また今後の景気動向にも大きな影響を及ぼしますが、その中でも「米雇用統計」は、米国のみならず、世界のマーケット(外国為替市場、株式市場、債券市場など)を大きく揺るがすことがあるため、世界中で注目されています。
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米雇用統計の注目点
現在、米雇用統計は、世界の経済指標の中で最も注目されており、外国為替市場や株式市場などのマーケットは、この発表の前後で大きく動くことが多いです。また、本統計の中でも「非農業部門就業者数」と「失業率」の2項目が特に注目されており、FOMC(連邦公開市場委員会)の金融政策の決定にも大きな影響を与えます。
なお、毎月、雇用統計に先だって、消費者信頼感指数やISM製造業景気指数、ADP雇用統計などでも雇用関連の数値の発表があり、これらを参考に様々な思惑で取引が行われ、雇用統計に向けてマーケットは大きく盛り上がっていくことになります。
非農業部門就業者数の概要
非農業部門就業者数(NFP:Non Farm Payrolls)は、事業所調査によって、非農業部門に属する事業所の給与支払帳簿を基に集計されます。これは、農業以外の産業で働く雇用者の増減を示しますが、経営者や自営業者は含まれません(2カ所以上に勤務する者は二重にカウントされる)。
◎NFPは業種別にも発表されるが、特に製造業の就業者数が注目される。
◎NFPの値は月毎の変動が大きく、また前月の数値が変更されていることも多いので注意が必要。
失業率の概要
失業率は、労働力人口に対する失業者の占める割合をいい、「(失業者÷労働力人口)×100」で算出されます。通常、失業率は、景気に対して遅行するため、非農業部門雇用者数や新規失業保険申請件数などと合わせて見るとよいでしょう。
なお、米国では、分子の失業者数は16歳以上の男女が調査対象となりますが、軍隊従事者や刑務所の服役者、労働意志のない者は含まれません。
米雇用統計と外国為替取引
外国為替取引において、非農業部門雇用者数(非農業就業者数)の増加幅が事前予想を上回っていれば「ドル買い」、下回っていれば「ドル売り」が多いです。また、同時発表の失業率と相反する結果が出た場合は、非農業部門雇用者数を優先することが多いです。
発表国 | アメリカ合衆国 |
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発表先 | 労働省労働統計局 〔U.S. Department of Labor, Bureau of Labor Statistics〕 |
発表時期 | 毎月第1金曜日のNY時間午前8時30分 (日本では21時30分-米・夏時間、22時30分-米・冬時間) |
発表内容 | 雇用関連の各種指標 |