連邦公開市場委員会(FOMC)
読み方: | れんぽうこうかいしじょういいんかい |
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英語: | Federal Open Market Committee |
分類: | 米国 |
連邦公開市場委員会(FOMC)は、アメリカ合衆国の連邦準備制度(FRS)の構成機関の一つをいいます。これは、米国の金融政策の最高意思決定機関(会合)で、マネーサプライの調節やFFレートの誘導目標など公開市場操作の方針を決定しており、その動向は世界的に注目されています。
ここでは、米国の連邦公開市場委員会(FOMC)の概要について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
連邦公開市場委員会(FOMC)の位置づけ
連邦公開市場委員会(FOMC)は、米国の中央銀行の制度である「連邦準備制度(FRS)」の構成機関の一つで、また米国の金融政策の最高意思決定機関(会合)です。
現在、連邦準備制度(FRS)は、連邦準備制度理事会(FRB)、連邦準備銀行、連邦公開市場委員会(FOMC)、連邦諮問委員会(FAC)、および加盟銀行(FRSに加盟している市中銀行)によって構成されています。
連邦公開市場委員会(FOMC)の構成
連邦公開市場委員会(FOMC)は、FRBの理事全員(7人)とニューヨーク連銀総裁(1人)、およびニューヨーク以外の連銀から選ばれた4人の総裁の計12人で構成されます(議長はFRB議長、副議長はニューヨーク連銀総裁が担当)。
現在、ニューヨーク連銀総裁は常任委員で、残りの4人は地区連銀総裁が持ち回りし、4つのグループ、(1)ボストン、フィラデルフィア、リッチモンド、(2)クリーブランド、シカゴ、(3)アトランタ、セントルイス、ダラス、(4)ミネアポリス、カンザスシティ、サンフランシスコから1年毎に交替します。
ちなみに、日本銀行もFOMCにならって、1998年4月施行の改正日銀法に基づいて、総裁と2人の副総裁、民間からの6人の審議委員による「金融政策決定会合」を定期的に開催し、金融政策を決定しています。
連邦公開市場委員会(FOMC)の開催
連邦公開市場委員会(FOMC)は、通常、6週間毎の火曜日に年8回開催され(2日間の場合は火・水)、また金融危機などの際には必要に応じて随時開催されます。その内、2月と7月の定例会議では、大局的な見地から、経済や通貨供給量の見通しなど、経済目標の設定・修正等について検討が行なわれます(2月は目標の設定等、7月は目標の修正等が議論されている模様)。
なお、2月と7月の定例会議の後には、FRB議長が経済目標を連邦議会に提出して証言を行なうことになっており、この議会での証言は、FRBが経済実勢をどう見ているのか、また今後どのような方針で舵取りをするのかなど、世界中の注目が集まるイベントの一つとなっています。
連邦公開市場委員会(FOMC)の議論と方針決定
連邦公開市場委員会(FOMC)では、各地区の連邦準備銀行のベージュブック(景況報告)やFRB調査統計局が提出するグリーンブック(経済報告)などをベースに議論し、メンバーの多数決(投票)によって、政策金利であるFF金利の誘導目標や景況判断(先行きの景気・物価に対するリスク等の評価)、今後の政策方針などが決定されます。
その中でも、FF金利の変更は、短期金利や長期金利、為替相場、株式相場などマーケットに大きな影響を及ぼすため、世界的に注目度が高いです。また、声明文については、FOMC開催最終日(米東部標準時間午後2時15分頃)に公表し、その議事要旨は政策決定日(FOMC開催最終日)の3週間後に公表され、市場関係者にとって、今後の米国の金融政策を予測する上で欠かせないものとなっています。
・FOMCが終了すると、政策金利であるFFレートの水準を発表
・FOMCの後に議事録を発表(今後の金融政策の方向性も記載)