自然失業率
読み方: | しぜんしつぎょうりつ |
---|---|
英語: | Natural Unemployment Rate |
分類: | 労働関連 |
自然失業率は、長期的に見た場合、インフレ率とは関係なく、その経済の持つ基礎的諸条件から決定される失業率をいいます。
米国の経済学者でノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマン(1912-2006)が提唱した概念で、具体的には、期待インフレ率と現実のインフレ率が一致し、実質賃金による労働力需給の調整が達成されるような長期均衡状態において成立する失業率とされます。
一般に自然失業率は、完全雇用が達成された状態にあっても、産業構造や技術革新、人口構成、社会保障の変化など、社会や経済の構造上の理由から、どうしても避けられずに存在してしまう失業率であり、例えば、自分が望む条件に合う職業を探している、またそもそも働く気がないといった事情で失業している人がカウントされます。
ちなみに、自然失業率に含まれない失業(働く能力も意思もあるが、雇用機会がなくて生じる失業)は、「非自発的失業」と言います。
<インフレを加速させない失業率について>
自然失業率とほぼ同義に使われる用語に「インフレを加速させない失業率(NAIRU)」があり、経済学者の厳密な定義では、自然失業率が短期的な循環要因が全て作用した後にインフレ率を上昇も下落もさせない失業率をいうのに対し、NAIRUは短期的な循環要因がまだ作用する余地のある今後1年間程度で見たインフレを加速させない失業率をいう。
※NAIRU:Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment