カーボン・オフセット

英語: Carbon offset
分類: 環境

カーボン・オフセット(Carbon offset)は、地球温暖化の原因と言われる二酸化炭素を減らそうとする取り組みの一つで、二酸化炭素排出分の相殺のことをいいます。

元々は、英国をはじめ欧米などで広がりを見せていた取り組みでしたが、昨今では、日本でも幅広い取り組みが行われています。また、カーボンオフセットに充てる排出枠は、国連が二酸化炭素の削減効果を認定した排出枠(CER)を用いるのが基本で、京都議定書に定められた日本の温室効果ガス削減目標の達成にも役立ちました。

目次:コンテンツ構成

環境省のカーボン・オフセットの定義

環境省では、カーボン・オフセットを以下のように定義しています。

市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、
(1)自らの温室効果ガスの排出量を認識し、
(2)主体的にこれを削減する努力を行うと共に、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等を購入すること又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、
(3)その排出量の全部又は一部を埋め合わせることをいう。

カーボンオフセットの概念

カーボンオフセットは、日常生活や経済活動において避けることができない二酸化炭素等の温室効果ガスの排出について、まずはできる限り排出量が減るように削減努力を行い、どうしても排出されるものについては、排出量に見合った削減活動に投資することなどにより、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方です。

具体的には、企業活動や個人の日常生活から排出される二酸化炭素に相当する量を、二酸化炭素排出枠の購入、風力や太陽光など自然エネルギーの利用、二酸化炭素を削減する植林活動への寄付などで埋め合わせるといった手法があります。

カーボン・オフセットの主な類型

カーボン・オフセットの主な類型として、以下があります。

●市場を通じて第三者に流通するクレジットを活用したカーボン・オフセット(市場流通型)

市場流通型には、概ね以下のような3つのタイプがある。

・商品使用やサービス利用によるオフセット
・会議やイベントの開催によるオフセット
・各主体の自己活動によるオフセット

●市場を通さずに特定者間のみで実施されるカーボン・オフセット

オフセットの対象となる活動から生じる排出量を、市場を通してクレジットを購入することではなく、別途に排出削減・吸収活動を行ったり、別途の排出削減・吸収活動から直接クレジットを購入したりすることによってオフセットするような取組みをいう。

iFinancial TV