資本規制
読み方: | しほんきせい |
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分類: | 資本 |
資本規制は、国(政府)が実施する、国内の資金移動を制限する規制をいいます。
具体的には、金融危機時などに自国通貨安や預金流出による金融システムの混乱を防ぐために、金融機関の休業や小切手の換金禁止、預金引出しや国外送金の制限などの規制を導入することを指すほか、経済に悪影響を及ぼす通貨高による資本規制もあります。
一般に資本規制は国民の財産権を侵害するため、反発は大きく、また国際社会からの信用失墜など副作用も大きいですが、一時的な措置(最終手段)として、これまでに金融不安に陥った多くの国が採用してきました。
<過去の資本規制の実施例>
●1998年:マレーシア
アジア通貨危機の際に、IMFの支援を求めることなく、固定相場制と資本規制策を導入した。
●2001年:アルゼンチン共和国
アルゼンチン危機により、銀行の預金引出し規制を導入したが、国民の反発で大規模暴動が発生した。
●2006年:タイ王国
為替相場上昇による経済への影響を抑制するため、短期外資流入規制策を発表したが、株価急落で一日で規制緩和に追い込まれた。
●2008年:アイスランド共和国
アイスランド危機により、通貨防衛等を目的に資本規制を導入した。
●2009年:ブラジル連邦共和国
レアル高の抑制のため、海外からの株式や債券への投資に金融取引税を課すことを含む資本規制を導入した。
●2013年:キプロス共和国
キプロス危機により、大口預金者へ損失負担を求めたほか、国内の銀行を休業し、預金引出しや国外送金を規制するなどの資本規制を導入した。