パナマ文章

読み方: ぱなまぶんしょう
英語: Panama Papers
分類: 情報流出

パナマ文書は、タックスヘイブン(租税回避地)への会社設立を代行していた、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」によって作成された一連の機密文書の通称をいいます。

2015年8月にドイツの南ドイツ新聞が匿名者から入手したもので、その後、米国の国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)に送付され、内容の検証後、2016年4月3日に本文章に基づく記事(スクープ)を公表したことにより、世界的に知られるようになりました。

一般にオフショア会社を持つことは違法でありませんが、一部の仲介者が多額の資産や疑わしい取引を租税回避地に隠すことで顧客を保護していたり、また政治家に関して言えば、その資金の入手経路や使途などが大きな問題となり、本文章は世界中に波紋を広げました。

なお、パナマは、中米の小国ですが、法制度と銀行インフラがしっかりしていることから、長年、オフショア会社の設立場所として世界的に知られています。

パナマ文章の概要

パナマ文章は、当時、オフショアの法律事務所として世界第4位の規模であったパナマの「モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)」の記録で、その中に記されている案件は総計1150万件、またデジタルデータとしては2.6テラバイトに達するとのことでした。

2015年8月に南ドイツ新聞が入手後、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)に送付したことにより、世界の多数の報道機関が共有しました。

※モサック・フォンセカはその後、信用を回復できず、2018年に営業を停止。

パナマ文章のスクープ

パナマ文章のスクープでは、国際的な政治家や経営者、セレブの一部と、英領バージン諸島やパナマなどオフショア・タックスヘイブンにある海外資産との関係を暴露し、資産隠しや税金逃れのために不適切な金融取引に関わっていると指摘すると共に、グローバルな金融システムの腐敗に関する問題なども提起しました。

当時、このスクープにより、若者や貧困層などの反発(批判)が世界中に広がったほか、国によっては、首相や閣僚などが辞任に追い込まれるなど、深刻な事態も発生しました。

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