パラダイス文書

パラダイス文書は、大手法律事務所のアップルビーなど複数の組織から大量流出した内部文書をいいます。

南ドイツ新聞が入手し、国際調査報道ジャーナリスト連合（ICIJ）を通じて各国メディアに共有されたもので、2017年11月5日（日本時間6日午前3時）から世界同時に報道が開始されました。

当時、流出した文書の内訳（資料数：1340万超、データ量：1.4テラバイト）については、大手法律事務所「アップルビー」の内部文書683万件、シンガポールの法人設立サービス会社「アジアシティ」の内部文書56万6千件、バハマやマルタなど経済情報の透明性が低い19の国・地域の登記文書604万件で、データの時期は1950年～2016年の66年間にわたりました。

その中には、各国の現旧首脳を含む政治家や王族ら有力者、多国籍企業、著名人などが多数含まれており、租税回避地に関与していた実態が深く浮き彫りになりました。

◎「パラダイス文書」という呼称は、タックスヘイブン（租税回避地）が美しい島国に多く、「税の楽園」と表現されることから名付けられたとのこと。

◎最大の流出元となったアップルビーは、違法なコンピュータハッキングを受けたとの声明を出しており、また本文書がどのようにリーク先の南ドイツ新聞にもたらされたかは明らかにされていない。

※アップルビー：バミューダ諸島やケイマン諸島といった租税回避地を中心に世界10カ所に拠点を構える大手法律事務所で、米国をはじめ世界の政治家や富豪、多国籍企業などの依頼を受けて、ペーパーカンパニー等を設立している。