ダウ工業株30種

読み方: だうこうぎょうかぶ30しゅ
英語: Dow Jones Industrial Average(DJIA)
分類: 株価指数(米国)

ダウ工業株30種は、「ダウ平均」や「NYダウ」とも呼ばれ、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表する、アメリカ合衆国の代表的な株価指数をいいます。これは、米国を代表する優良企業30社のパフォーマンスを測定することを目指す株価加重指数で、その対象銘柄には、輸送および公共事業以外の全ての業種を網羅しています。

ここでは、米国の代表的な株価指数である「ダウ工業株30種」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

ダウ工業株30種の概要

ダウ工業株30種とは、「ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価」の略で、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表する、輸送および公共事業を除く、主要業種の代表的な30の優良銘柄で構成される平均株価指数をいいます。

1896年に算出を開始して以来、本指数は、米国を代表するニューヨーク株式市場の重要な株価指標となっており、現在、「S&P500」や「ナスダック総合指数」と共に、米国株の代表的な株価指数として、世界中で常に注目されています。

・米国を代表する優良企業30社で構成される
・値がさ株(株価の高い銘柄)の影響を受けやすい
・銘柄数が少なく、個別銘柄の影響を受けやすい

指数の算出

1896年5月26日の誕生から、単純に株価を株数で割った値を使用していますが、長い歴史の中で、その連続性を確保するために、除数だけが変化しています。また、銘柄の入替は、算出会社とウォール・ストリート・ジャーナルの代表者から編成される指数委員会によって行われています。

・算出開始日:1896年5月26日
・基準日:1896年5月26日
・基準価額:40.94ドル
・ウェイト付け:株価加重方式

指数の沿革

1896年に指数の算出が始まった時は、銘柄数が12種で、それが1916年に20種となり、現在の30種になったのは1928年で、それ以降、その数は変更されていません。また、1896年の初値で40.94ドルをつけて以来、その125年を超す歴史の中で、長い間、世界の株式市場を代表する株価指標の地位を保っています。

・史上最高値(終値):36,799.65 (2022/1/4)
・史上最安値(終値):28.48(1896/8/8)
・最大上昇幅:+2,112.98(2020/3/24)
・最大上昇率:+15.34%(1933/3/15)
・最大下落幅:-2,352.60(2020/3/12)
・最大下落率:-22.61%(1987/10/19)

指数の種類

ダウ工業株30種(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)には、以下のような関連指数も用意されています。

・ダウ・ジョーンズ工業株価平均均等加重指数
・ダウ・ジョーンズ工業株価平均利回り加重指数
・ダウ・ジョーンズ工業株価平均日本円ヘッジ・レバレッジ(2倍)指数
・ダウ・ジョーンズ工業株価平均日本円ヘッジ・レバレッジ指数
・ダウ・ジョーンズ工業株価平均日本円ヘッジ・インバース指数

ダウ工業株30種の構成銘柄(2022年5月)

ダウ工業株30種の構成銘柄は、2022年5月現在、以下のようになっています。

・3M-化学
・American Express-金融
・Amgen-バイオテクノロジー
・Apple-IT
・Boeing-航空機
・Caterpillar-重機
・Chevron-石油
・Cisco Systems-情報通信
・Coca-Cola-飲料
・Dow-化学

・Goldman Sachs-金融
・Home Depot-小売
・Honeywell-電子制御システム・自動化機器
・IBM-IT
・Intel-半導体
・Johnson & Johnson-ヘルスケア
・JPMorgan Chase and Co.-金融
・McDonald's-外食
・Merck & Company-医薬品
・Microsoft-ソフトウェア・クラウド

・Nike-その他製品
・Procter & Gamble-日用品
・Salesforce-顧客管理ソリューション
・Travelers-保険
・UnitedHealth Group-保険
・Verizon-通信
・Visa-金融
・Walmart-小売
・Walgreens Boots Alliance-小売
・Walt Disney-娯楽・メディア

ダウ工業株30種の入替(2008年以降)

ダウ工業株30種の入替は、2008年以降、以下のようになっています。

|2008年|
・採用:バンカメ、除外:アルトリア
・採用:シェブロン、除外:ハネウェル
・採用:クラフトフーズ、除外:AIG

|2009年|
・採用:シスコ、除外:シティ
・採用:トラベラーズ、除外:GM

|2012年|
・採用:ユナイテッドヘルス、除外:クラフトフーズ

|2013年|
・採用:ゴールドマンサックス、除外:アルコア
・採用:ビザ、除外:バンカメ
・採用:ナイキ、除外:HP

|2015年|
・採用:アップル、除外:AT&T

|2018年|
・採用:ウォルグリーン、除外:GE

|2019年|
・採用:ダウ、除外:ダウ・デュポン

|2020年|
・採用:セールスフォース、除外:エクソンモービル
・採用:アムジェン、除外:ファイザー
・採用:ハネウェル、除外:レイセオン

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスについて

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P Dow Jones Indices)は、2012年7月にS&Pインデックスとダウ・ジョーンズ・インデックスが統合し、世界最大の金融市場指数のプロバイダーとなりました(S&PグルーバルとCMEグループの合弁会社)。

現在、旗艦指数であるS&P500およびダウ平均から、株式や債券、コモディティ、不動産、戦略型、スペシャルティまで、世界中の様々な資産クラスや戦略をカバーする多彩な指数を提供しており、また投資家が市場を測定・取引する方法を継続的に定義しています。