簿外取引
読み方: | ぼがいとりひき |
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英語: | Off Balance Sheet Transaction |
分類: | 情報開示 |
簿外取引は、「オフバランス取引」とも呼ばれ、貸借対照表(バランスシート)に計上されない取引をいいます。
貸借対照表(帳簿)に数字が出ないことに由来する呼称で、現在、企業の債務保証行為や一部のリース取引などが該当します。また、今日において認められている取引についても、ディスクロージャーの観点から、投資家等が取引実態を的確に把握できるように、注記等により十分な情報開示を行う必要があります。
なお、時価会計の導入により、かつての簿外取引の代表例であったデリバティブ取引などは、現在、貸借対照表に計上されています。
目次:コンテンツ構成
簿外取引の推移と現状
簿外取引は、1980年代以降、金融取引の高度化や複雑化に伴って拡大し、またバランスシートのスリム化や資産の効率化などが可能であったことから、金融機関や大手企業などを中心に企業価値を高める一つの手法として積極的に活用されてきました。
その一方で、企業の取引実態が掴めない、リスク管理が難しいといった弊害があり、時代の流れの中で会計基準が順次整備され、今日では、取引実態の的確で透明な情報開示を求める「ディスクロージャーの強化」から、かつては簿外取引として認められていたものがオンバランス処理されるようになっています。
簿外取引のオンバランス化
例えば、1990年代まで簿外取引の典型であった先物取引やオプション取引、スワップ取引などのデリバティブ取引については、2000年4月以後に開始した事業年度から金融商品会計基準の原則適用に伴い、貸借対照表に時価評価して計上されるようになりました。
また、所有権移転外ファイナンスリース取引における例外的な会計処理が廃止され、「通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理」に一本化されたため、2008年4月以後に開始した事業年度から、ほとんどのファイナンスリース取引がオンバランス化されることになりました。