為替ディーラー
読み方: | かわせでぃーらー |
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分類: | 市場参加者 |
為替ディーラーは、金融機関(銀行等)のマーケット部門に属する、外国為替取引を専門に行うディーラーをいいます。これは、外国為替市場において、インターバンク市場でも対顧客市場でも中心的な役割を果たしており、また銀行等においては、花形職種の一つとなっています。
※為替ディーラーは、外為ディーラーや外国為替ディーラー、FXディーラー、Forexディーラーとも呼ばれる。
目次:コンテンツ構成
金融機関(銀行等)のディーリング
金融機関(銀行等)では、日々の外国為替取引において、顧客の「カバー取引」と収益を上げるための「自己取引」の二つが行われており、為替ディーラーが担当しています。
・カスタマーディーリング:顧客との取引、カバー取引
・自己ディーリング:自己取引
為替ディーラーの種類
金融機関(銀行等)の為替ディーラーは、役割に応じて以下の三つに分けられ、世間一般のイメージのある、ポジションを積極的に取って収益を狙う為替ディーラーは「プロプライアトリーディーラー(ポジションテイカー)」を指します。
・インターバンクディーラー:銀行間の取引
・カスタマーディーラー:顧客との取引
・プロプライアトリーディーラー:自己売買の取引
一般に為替ディーラーは、外国為替市場の最前線に常にいるため、特に為替レートが変動する際に重要となる、マーケットの需給状況やポジションの傾き、大口取引の情報などが直接得られるため、全ての取引参加者の中で情報面で一番優位に立っています。
為替ディーラーの情報源
為替ディーラーは、金融機関(銀行等)のディーリングルームにいて、常に様々な情報に接しています。
・情報ベンダーの情報端末(Reuters、Blommberg他)
・電子ブローキングの端末
・ボイスブローカーやディーラーからの情報
・海外支店のディーリング部門からの情報
・カスタマーディーラーや支店からの実需情報
・銀行内の専門家やリサーチ機関からの専門情報
・国内外の新聞や雑誌、ネットなどのメディア情報
為替ディーラーのディーリング手法
通常のディーリングは、短期取引が中心であり、その手法には「流れ(フロー)」を重視する手法と「方向性(ディレクション)」を重視する手法の二つがあります。
・流れ重視:超短期のスピード売買(鞘抜き)
・方向性重視:タイミングと方向性で差益獲得
為替ディーラーの強みと弱み
為替ディーラーは、外国為替取引の専門家ですが、実際に収益をしっかりと継続的に上げられるのは、その中のほんの一部の人だけです(収益を上げられなければ、配置換えか異動)。
<主な強み>
・外国為替取引の需給状況を知ることができる
・取引の中心にいるため、市場の生の声を聞ける
・自行内の実需の輸出オーダーや輸入オーダーを把握できる
・外国為替取引の一番の当事者である(先に仕掛けられる)
・情報やシステムの整ったディーリングルームで取引できる
<主な弱み>
・期間内に収益目標を達成するプレッシャーがある
・ロスカットルールが厳密に決められ、取引面で制約がある
・同じ雰囲気の中におり、似たようなポジションになることもある
・ディーリングを休めない(相場を休むことができない)