影の金利(シャドーレート)

読み方: かげのきんり
英語: Shadow Rate
分類: 金利

影の金利は、「シャドーレート」とも呼ばれ、量的緩和など非伝統的な緩和策の効果を政策金利の引き下げに換算して示したものをいいます。これは、国債買い入れによる量的緩和なども全て利下げとみなして算出する指標の一種で、簡単に言えば、緩和度合いを比べる物差しとも言えます。

2008年のリーマンショック(世界金融危機)以降、先進国において、中央銀行金融緩和の手段が政策金利の引き下げから資産買い入れに軸足を移す中、影の金利は各国の緩和度合いを比べる共通の物差しとして使われています。また、影の金利から金融政策の限界が指摘されることもあります。

現在、影の金利の算出方法には複数ありますが、例えば、国債の利回りや将来の政策金利を織り込む金融取引などから算出されます(株式市場などを通じた効果は測りにくい)。

<日本の影の金利について>

2013年4月以降、日本は異次元緩和をずっと続けており、一時期を除けば、影の金利は欧米を大きく下回り、日米欧の中で緩和度合いは日銀が突出しています。また、日銀の場合、国債だけでなく、ETFやREITなど幅広い資産を購入しているため、実際に算出された影の金利の水準より緩和的な状態であると言われています。

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