中央銀行
読み方: | ちゅうおうぎんこう |
---|---|
英語: | Central Bank |
分類: | 金融機関 |
中央銀行(中銀)は、「セントラルバンク」や「銀行の銀行」とも呼ばれ、一国家や国家連合など同一の通貨地域において、金融組織の中核をなす銀行をいいます。
具体的には、法定通貨の独占発券権を持ち、市中銀行に資金を供給し、市場の通貨量の調整を行い、また国庫の支出・収納・保管など政府の銀行としての業務を行い、それらの機能を通じて金融政策の運営にあたっています。
ここでは、金融システムの中核に位置する「中央銀行」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
世界の主要な中央銀行
現存する中央銀行の中で最も古いのは、1668年に設立されたスウェーデン国立銀行ですが、今日の典型的な中央銀行制度の確立過程において最も大きな貢献をしたのは、1694年に設立されたイングランド銀行です。また、1882年に日本銀行条例に基づき設立された日本銀行は、国有でも民営でもない特殊法人となっています。
現在、世界の主要な中央銀行としては、以下が挙げられます。
・日本:日本銀行(BOJ)
・米国:連邦準備制度理事会(FRB)
・ユーロ圏:欧州中央銀行(ECB)
・英国:イングランド銀行(BOE)
・スイス:スイス国立銀行(SNB)
・スウェーデン:スウェーデン国立銀行
・カナダ:カナダ銀行(BOC)
・オーストラリア:オーストラリア準備銀行(RBA)
・中国:中国人民銀行(PBC)
・韓国:韓国銀行(BOK)
・ロシア:ロシア中央銀行
・ブラジル:ブラジル中央銀行
・アルゼンチン:アルゼンチン中央銀行
・メキシコ:メキシコ銀行
・インド:インド準備銀行(RBI)
・インドネシア:インドネシア銀行
・トルコ:トルコ中央銀行
・サウジアラビア:サウジアラビア通貨庁
・南アフリカ:南アフリカ準備銀行 他
中央銀行の機能と役割
中央銀行は、一般的には以下のような機能を持ち、「通貨価値(物価)の安定」と「金融システム(信用制度)の維持」が最も重要な役割となっています。また、世界において、経済のグローバル化が進展する中で、他国の中央銀行との交流や協力なども積極的に行われています。
◎銀行券の独占的発行権を有する「発券銀行」としての機能。現在、各国とも、銀行券は無制限強制通用力をもつ法定通貨となっている。
◎市中金融機関との間での支払準備金の預託、手形交換の最終尻の決済、一日の為替取引の決済、手形割引等の資金貸借の決済など「銀行の銀行」としての機能。また、最後の貸し手としての「金融統制機関」としての機能。
◎国庫金の収納や支出、保管、公債の事務(発行・償還・利払い)など「政府の銀行」としての機能。
◎政策金利や公開市場操作、支払準備率操作などによる「金融政策の執行機関」としての機能。
◎同一の通貨地域における「外国為替の集中決済機関」としての機能。
中央銀行トップが出席する国際会議
世界経済において、中央銀行は重要な役割を果たしており、現在、各国の中央銀行トップが一堂に会して経済・金融問題について話し合う国際会議には、以下のようなものがあります。
・財務大臣・中央銀行総裁会議(G20、G10、G7)
・BIS中央銀行総裁会議
・中央銀行総裁・銀行監督当局長官グループ(GHOS)
・東アジア・オセアニア中央銀行役員会議(EMEAP)
・金融安定理事会(FSB)
・IMF・世銀年次総会
・ジャクソンホール会議 他