地方銀行(地銀)

読み方: ちほうぎんこう
分類: 金融機関

地方銀行は、「地銀」とも呼ばれ、全国の大・中都市に本店を構え、本店所在の都道府県内を主たる営業基盤とする普通銀行をいいます。これは、全国的規模で営業する都市銀行に対する呼称で、通常、全国地方銀行協会の会員である銀行を指します。

また、第二地方銀行協会の会員である銀行(第二地方銀行)との対比から、「第一地方銀行」と称される場合もあります。

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地方銀行の役割とネットワーク

地方銀行は、本店所在の都道府県を中心とした地域に稠密な支店網を張り巡らせており、この店舗網を通じて、個人の顧客や地域の中堅・中小企業の取引先などに対して多様な金融ニーズに応えると共に、地域社会の振興や街作りなど、地域金融の主導的な役割を果たしています。

現在、地方銀行では、顧客に対するサービスや利便性の向上のため、協調・提携により全国的な金融ネットワーク網を形成しているほか、「全国カードサービス(ACS)」や「地銀ネットワークサービス(CNS)」、「信用リスク情報統合サービス(CRITS)」などの共同事業も行っています。

全国カードサービス(ACS)

全国カードサービスは、「ACS(All Japan Card Service)」とも略され、全国地方銀行協会に加盟する62行のどのATM・CDからでも預金の引出しなどが可能となるオンライン提携ネットワーク。

地銀ネットワークサービス(CNS)

地銀ネットワークサービスは、「CNS(Chigin Network Service)」とも略され、地方銀行を通じて、全国の地方公共団体や民間企業へ、コンビニ収納サービスやWeb口振受付サービスをはじめとする様々な決済サービス等を展開する、地方銀行62行による共同事業会社。

信用リスク情報統合サービス(CRITS)

CRITSは、「Credit RiskInformation Total Service」の略で、地方銀行が科学的・合理的な与信管理業務運営を進めていく上で不可欠となる、(1)財務・信用情報データベース、(2)スコアリングモデル、(3)ポートフォリオ分析、の3つの機能を統合的に提供する、信用リスク情報統合サービス。

地方銀行の一覧

地方銀行の各行は、金融庁の銀行免許一覧では、「地方銀行」の欄に記載されています。その変遷は、昭和の1989年に64行で、令和の現在は62行であり、都市銀行や信託銀行第二地方銀行などが統廃合等で集約されたのに対して、銀行数では2行しか減っていません(第二地銀との合併や名称変更などは多い)。

●北海道(1)

北海道銀行

●東北(10)

青森銀行、みちのく銀行、岩手銀行、東北銀行、七十七銀行、秋田銀行、北都銀行、荘内銀行、山形銀行、東邦銀行

●関東(9)

常陽銀行、筑波銀行、足利銀行、群馬銀行、武蔵野銀行、千葉銀行、千葉興業銀行、きらぼし銀行、横浜銀行

●甲信越(3)

第四北越銀行、山梨中央銀行、八十二銀行

●北陸(4)

北陸銀行、富山銀行、北國銀行、福井銀行

●東海(7)

大垣共立銀行、十六銀行、静岡銀行、スルガ銀行、清水銀行、百五銀行、三十三銀行

●近畿(7)

滋賀銀行、京都銀行、関西みらい銀行、池田泉州銀行、南都銀行、紀陽銀行、但馬銀行

●中国(5)

鳥取銀行、山陰合同銀行、中国銀行、広島銀行、山口銀行

●四国(4)

阿波銀行、百十四銀行、伊予銀行、四国銀行

●九州(10)

福岡銀行、筑邦銀行、西日本シティ銀行、北九州銀行、佐賀銀行、十八親和銀行、肥後銀行、大分銀行、宮崎銀行、鹿児島銀行

●沖縄(2)

琉球銀行、沖縄銀行

地方銀行のグループ化

地方銀行は、長い間、地域の有力銀行だったこともあり、銀行数ではほとんど変化していませんが、21世紀に入ってからは、時代の変化(競争激化、人口減少、事業モデル転換)の中、第二地銀を含めて、地銀同士のグループ化が進行しています。

●ほくほくフィナンシャルグループ

北陸銀行、北海道銀行

●フィデアホールディングス

荘内銀行、北都銀行

●めぶきフィナンシャルグループ

常陽銀行、足利銀行

●コンコルディア・フィナンシャルグループ

横浜銀行、東日本銀行

●関西みらいフィナンシャルグループ

関西みらい銀行、みなと銀行

●山口フィナンシャルグループ

山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行

●ふくおかフィナンシャルグループ

福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行

●西日本フィナンシャルホールディングス

西日本シティ銀行、長崎銀行

●九州フィナンシャルグループ

肥後銀行、鹿児島銀行

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