信用組合(信組)
読み方: | しんようくみあい(しんくみ) |
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分類: | 金融機関 |
信用組合は、「信用協同組合」の略称で、"中小企業等協同組合法"と"協同組合による金融事業に関する法律"を設立根拠法として、中小零細事業者や生活者のための金融を担う協同組織金融機関をいいます。
日本の金融業界において、業種的には、地域の人々によって組織・運営されている、相互扶助の精神をいかした「コミュニティバンク(地域密着型金融機関)」であり、また組合員の利益を第一に考えることを活動の基本としています。
ここでは、地域に根付いた身近な金融機関である「信用組合」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
信用組合の概要
信用組合は、「信組(しんくみ)」とも呼ばれ、利用者である中小零細事業者や生活者が構成員(運営者)となり、営利を目的とせず、相互扶助の理念に基づき、金融サービスを提供しています。
現在、金融業界において、信用組合は、同じ金融機関であっても、株主の利益を追求する株式会社組織の銀行とは目的を異にしています。また、同じく協同組織金融機関である信用金庫との大きな違いは、信用組合が地域・業域・職域という様々なコミュニティを基盤とする金融機関なのに対して、信用金庫は広域をエリアとする金融機関となっています。
なお、信用組合は、預金保険制度の対象金融機関であり、預金保険機構に対して、預金や定期積金の額に応じた保険料を納付しています。
信用組合の基本理念とブランドスローガン
信用組合の基本理念は、「相互扶助」となっており、いつの時代でも変わりません。この「相互扶助」は、社会福祉的な弱者同士の扶助ではなく、自助のために相互に協力し、同時に自立した者同士が協同することです。また、ブランドスローガンは、「ちかくにいるから、チカラになれる」となっています。
信用組合の組合員資格
信用組合の組合員資格は、現在、以下のようになっています。
・地区内に住所又は居所を有する者
・地区内で事業を行う小規模の事業者
・地区内で勤労に従事する者
<事業者の場合の制限>
従業員300人以下又は資本金(出資金)3億円以下の事業者(卸売業100人又は1億円、小売業50人又は5千万円、サービス業100人又は5千万円)
信用組合の業態
信用組合は、組合員制度による協同組合組織の金融機関のため、制度・運用の面で独自の性格を備えており、以下の3つの業態があります。通常、融資対象は組合員を原則としていますが、組合員以外への融資も認められており、また預金は組合員以外からも利用されています。
|地域信用組合
地域信用組合は、最も数が多く代表的な業態で、一定の地区内の中小・小規模事業者や生活者を組合員とする信用組合です。現在、営業地域は広いもので県下一円で、大部分の信用組合は、もっと狭い地域で営業を行っています。
|業域信用組合
業域信用組合は、同業種の人たちを組合員とする信用組合です。現在、医師や歯科医師、証券業、出版製本、公衆浴場、青果市場などの組合があります。
|職域信用組合
職域信用組合は、同じ職場に勤務する人たちを組合員とする信用組合です。現在、官公庁や鉄道、新聞社などの組合があります。
信用組合の中央組織
信用組合は、時代の変化に適切に対応していくため、信用組合業界の中央組織である「全信中協」と「全信組連」が各々の役割分担を明確にし、個々の信用組合へのサポート業務の充実や強化を図っています。
|全国信用組合中央協会
全国信用組合中央協会は、「全信中協」と略され、信用組合の健全な発展を図り、公共の利益を増進することを目的とする、日本全国の信用組合の中央組織(一般社団法人)をいいます。
現在、主な役割として、信用組合業界としての意見表明や要望活動を行っているほか、信用組合の人材育成・職員の能力水準アップのための集合研修や通信教育、検定試験なども実施しています。
|全国信用協同組合連合会
全国信用協同組合連合会は、「全信組連」と略され、日本全国の信用組合を会員とする、信組の系統中央金融機関です。
現在、預貸金取引を通じた信組間の資金の調整機関としての役割を果たすと共に、余裕金を効率的に運用しています。また、信組の信用維持・向上を図るため、信用組合経営安定支援制度の運営等を行うほか、信組の窓口を通じて、組合員の方々に代理貸付や国債・投資信託の窓口販売などの様々な商品・サービスを提供しています。