公図
読み方: | こうず |
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分類: | 図面 |
公図は、登記所に備え付けられている、土地の形状や隣接地との位置関係(境界)が分かるように作られた「地図に準ずる図面」をいいます。これは、通常、旧土地台帳施行細則第2条の規定に基づく地図を指し、管轄の登記所で閲覧し、写しを取ることができます。
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公図の認識と資料価値
公図は、明治初期の地租改正事業で作られた地図が基になっており、現況と大きく異なる場合があります。それは、明治時代の技術では正確な測量が難しかったことや、徴税の参考資料として作成されたといった背景があり、現況とは一致しないことが多いです。
ただし、公図の他に土地の位置や形状を示す公的な資料がない地域では、土地の大まかな位置や形状を明らかにできる点で資料価値があるため、今日でも利用されています。
<公図の着色の意味>
赤:道路、青:水路、黄色:田、薄茶色:畑、黄緑色:原野
公図から正確な地図へ
現在、国土調査法に基づく国土調査の一つで、主に市町村が主体となって一筆ごとの土地の所有者や地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量する「地籍調査」が実施されており、日本全国で「公図」を「正確な地図」へと置き換える作業が進められています。
国土交通省の地籍調査Webサイトの「全国の地籍調査の実施状況」によると、2020年度末時点で、地籍調査対象地域全体の進捗率は52%となっており、また優先実施地域の進捗率は79%となっています。