オファリング・レシオ

オファリング・レシオ（Offering ratio）は、企業が新規公開（IPO）する際に、発行済株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す、ファイナンス規模や流動性の指標をいいます。

売出しや公募、オーバーアロットメントも含めたトータルの株式数が発行済株式数全体の何％であるかを示す指標で、具体的には、上場した際に企業の発行済株式数全体の内、IPOで一般投資家に渡る株数が何％になるかを明示したものとなっています。

過去の経験則では、20～30％の場合が上場後の株価への影響が中立的と言われています。また、20％近辺からそれ以下では「レア度」が高く、逆に30％を超えてくると「要注意」と言われています。これより、上場をゴールとしたエグジット案件では、このパーセンテージが異常に高いのでご注意ください。

一般にオファリング・レシオ（OR）は、IPOを成功させるための一つの重要なファクターとなっており、ORが低ければ、レア度が高くプレミアムにつながりやすいため、株価は上場後に急騰する可能性があります。その一方で、ORが高ければ、放出した株式が市場で十分に消化できず、公募価格を割り込む初値となる可能性があります。

なお、本指標を利用する際には、上場前の既存株主（創業者やベンチャーキャピタルなど）の動向にも注意を払い、ロックアップの有無や期間は事前に確認するようにしましょう。